現在は「水疱瘡の予防接種が当然になったこと(26年から定期健診で予防接種をうけることができる)」や、「子どもの頃などに一度かかってすでに抗体ができている」など、妊婦が水疱瘡にかかるケースは、1パーセント以下とかなり少なくなりました。
ですが、だからといって絶対にかからないわけではありません。ここでは、もし妊娠してから水疱瘡にかかってしまったときに一番心配になるであろう、胎児への影響や注意点を記載します。
胎児への影響
まず、水疱瘡は「経胎盤感染(胎盤から直接胎児に感染すること)」します。特に分泌前後(生まれる寸前)に妊婦が感染した場合胎児へ感染する確立は20パーセント以上に上ります。
また、出産6日前までの感染の場合抗体が胎児に受け継がれますが、それより後に感染してしまった場合は抗体が胎児に引き継がれるため、赤ちゃんの死亡率は30パーセントというかなり高い確率にあります。
このため妊婦が予定日前など出産間近で水疱瘡を感染した場合は、抗体が胎児に移行するのを待つために出産を遅らせます。
また、妊娠初期に妊婦が水疱瘡にかかった場合、ごくまれに「帯状疱疹」を乳幼児期で発症する他、「先天性水痘症候群(未熟児、脳萎縮など)」をもった赤ちゃんが生まれる場合があります。
ただ後者の先天性水痘症候群は日本では未だ発見例がないそうです。
妊婦の注意点
まず注意しないといけないことは大人の水疱瘡は重症化しやすいこと。とくに妊婦が水疱瘡にかかった場合重症化の確率が更にあがります。
幸い早期発見できた場合は痒み止めですみますが(薬は妊娠中は基本的によくないだけでなく、胎児にも抗体ができるのでさほど心配はない)感染が目にわたった場合は眼科の受診が必要です。
また、妊娠中の感染が重症化に繋がりやすいのは併症が多いためで、一番怖いのは肺炎。この場合は母体優先しなければならなくなるため強い薬を使わざるを得なくなります。
ここからは予防接種に関しても記載していきます。まず、気をつけないといけないことに「妊娠中は水疱瘡の予防接種を受けることができない」というものがあります。
感染を防ぐには生活リズムを整えて免疫力そのものをあげたり、衛生面の注意をする(手洗い・うがい)ことが重要です。
実際にあった例では二人目を妊娠中に子どもが水疱瘡を感染してしまって、そこから妊婦にうつるといったこともあったので身近に感染者がいた場合はかなりの注意が必要です。
そのためにも感染したことがない人は、予防接種を受けることをおすすめします。
最後に
今回は、妊婦が水疱瘡になった時の胎児への影響と注意点について解説してきました。最後にも書きましたが、不安な場合は早めに予防接種を受けるようにしてください。