中耳炎とは読んで字のごとく中耳が炎症を起こす病気ですが、具体的にはどういう病気なのか、中耳炎で耳が痛くなるのはどうしてなのか、また、中耳炎になってしまったらどうすればいいのか、そんな疑問について解説していきます。
中耳炎の原因
中耳炎は一言で言ってしまえば、中耳が炎症を起こす病気ということになります。
中耳炎は、細かく分けると急性中耳炎、滲出性中耳炎、慢性中耳炎に分けることができますが、一般的に中耳炎と呼ばれているのは急性中耳炎です。
耳は大きく分けると、鼓膜までの綿棒を入れて耳掃除するところである外耳、鼓膜と鼓膜の奥にある鼓室と小耳骨、咽頭とつながっている耳管からなる中耳、三半規管や蝸牛(うずまき管)がある内耳に分けられます。
つまり、中耳は、音が入ってきたとき、鼓膜が振動して、耳小骨を介して振動を増殖していき、内耳にある音を感じて信号に変えて脳に伝える蝸牛へ伝えていくところになっていて、また耳管を通して鼻や喉とつながっています。
鼻や喉が細菌に感染すると、耳管を通って中耳に細菌が侵入し、炎症を起こすのが中耳炎です。中耳に炎症が起こると患部が腫れて耳管の通りが悪くなります。
炎症が起こることによって起こる痛みの他に、耳管の通りが悪くなることにより、鼻や喉から耳管を通って空気が入ってくるたびに、鼓膜に圧力がかかり強く押されることによって耳痛を感じるようになります。
原因菌としては、インフルエンザ菌、肺炎球菌などが多く検出されています。炎症により発熱が見られることもあり、また、中耳には炎症により膿汁がたまりますが、この圧力により炎症で弱くなった鼓膜に小さな穴が開くとそこから耳だれ(耳漏)が耳の外に出てきます。
鼓膜に小さな穴が開くと耳管から鼓膜にかかる圧力が下がるので、耳痛は軽快します。しかし、炎症は続いているので治療が不十分だと慢性化してしまいます。
中耳炎で痛みが出る場合の対処法
すぐにできる方法としては、寝ている状態から上体を起こし、座った状態又は立った状態にすると、鼻から喉の上の粘膜の血管がわずかに収縮し、脳の神経の刺激が軽減されるので痛みが少し和らぐ場合があります。
また、耳の裏や首のリンパをタオルなどで冷やしたり、冷水を飲んだりするのも、脳の神経の刺激が軽減され、痛みが和らぎます。逆にお風呂などに入り体の血行が良くなると、神経が刺激されて耳痛が増すことがあります。
急性中耳炎の場合は、3日ほど様子をみると症状が治まり、自然治癒してきますが、治らない場合は医療機関を受診するようにします。
また、痛みが我慢できない場合は、細菌による炎症がもともとの原因なので、炎症を鎮め痛みをとる非ステロイド系の消炎鎮痛薬を服用すると良いでしょう。ただし、子供の場合は、アセトアミノフェンが使われます。
まとめ
中耳炎は、鼻や喉から細菌が耳管を通って中耳に入り、そこで炎症を起こすために、その炎症によって痛んだり、耳管の空気の通りが悪くなり鼓膜に圧力がかかることによって耳が痛くなったりします。
血流が良くなると痛みが強くなるので、冷やすなど血流を悪くするような対策をすると良いでしょう。またアセトアミノフェンなどの鎮痛薬を服用することによって痛みを和らげることができます。