心筋梗塞になると、胸の痛みだけではなく、呼吸困難・吐き気・冷や汗なども症状として現れ、早期に対応することが重要となっている病気です。また、合併症を起こしやすい病気でもあります。ここでは、心筋梗塞の合併症について見ていきます。
合併症が起こるタイミングや症状
心筋梗塞の重症度によって合併症が起こるタイミングやその種類は変わってきます。重症度というのは心筋がどのくらい壊死してしまったのかという点にスポットが当てられます。
また、合併症の中には心筋梗塞の処置を行なった後も後遺症として残ることもあります。その症状については、様々です。
合併症① 不整脈
心筋梗塞が発症すると、不整脈を起こして死亡するケースが一番多くあります。不整脈にも種類がありますが、一番多いのが心室細動と呼ばれているものです。
血液を送り出すための心室が、非常に細かく振動することで機能しなくなり、血液の循環が阻害されてしまうことを指します。
心筋梗塞発症後、数時間以内に起きることが多く、対応するためには心臓マッサージやAEDによる電気刺激が必要になります。近年、多くの施設でAEDの設置が義務付けられたのは、このような背景があります。
合併症② 心破裂
心破裂は壊死した心筋が、心臓の血圧に耐え切れずに心臓の外壁が壊れる症状で、心破裂が起きた場合には即死することもあります。
心筋梗塞によって心破裂が起きる場合は、心臓の左室であることが多く見られます。5日以内に発症することが多く、男性に多い合併症です。
治療方法は外科手術以外にありません。頻度は少ないもののリスクが高いので、警戒が必要になります。
合併症③ 心室瘤
発生頻度は非常に稀ですが、心筋梗塞の合併症として、心室瘤が発症することがあります。心室瘤は、心臓と心臓を覆っている膜の間に液体が溜まって心臓の働きを阻害する心タンポナーデの原因となるものです。
心タンポナーデが起きた場合は、重度の心不全を引き起こします。しかし、心筋梗塞の治療が豊富な病院でも心室瘤が合併症として起きる症例は非常に少ないものとなっています。
合併症の予防法
心筋梗塞の合併症を予防するために、自らできることはほとんどありません。心筋梗塞自体が生活習慣病ですので食生活を見直す、普段の生活を見直すなどから始めるしかありません。
合併症は主に短期間で起きることが多い傾向にあり、急性の心筋梗塞で入院しているならば、医師や看護師によって、その経過観察が行なわれます。ですから医師の指示に従って治療を進めていくことが必須となります。
合併症を予防するなら、心筋梗塞を起こさないよう注意していく必要があります。そのためには規則正しい生活などを心がけていくようにしましょう。
最後に
心筋梗塞は身近に潜んでいます。上記の通り、合併症を予防することは難しいですが、心筋梗塞自体は気をつけて生活することで予防可能です。心筋梗塞に注意して健康的な生活をするように心がけてください。