
突然、引き起こされる劇症型溶連菌感染症 (劇症型溶血性レンサ球菌感染症)。その症状の進行は、かなり急速で、命の危険もある感染症です。近年、メディア等でも「人喰いバクテリア」と称され、取り上げられています。
劇症型溶連菌感染症とは
劇症型溶連菌感染症 (劇症型溶血性レンサ球菌感染症)とは、主にA群溶血性レンサ球菌による感染症です。
冬に子供の間でよく流行する、のどの痛み、発熱、発疹、イチゴ舌を主症状とする溶連菌感染症と同じ細菌が引き起こします。
年間100-200人が発症し、その死亡率は約30%ととても高いものです。特に30歳以上の大人の発症が多いといわれています。なぜ、劇症化するのかは、まだ分かっていないようです。
症状一覧
劇症型溶連菌感染症の症状には以下のようなものがあります。
初期症状
- のどの痛み
- 発熱
- 悪寒
- 筋肉痛
- 手足の痛みや腫れ
- 血圧の低下
後発症状
- 皮膚
- 筋膜等の軟部組織の壊死
- 血液凝固の異常 (DIC)
- 呼吸不全や循環不全、腎不全などの多臓器不全
病状の悪化がとても急激で、発病から数十時間で多臓器不全となり、ショック状態に陥って死に至るケースも多いといわれています。
診断基準
- ショック症状をみとめる。
- 肝不全、腎不全、急性呼吸窮迫症候群 (突然起こる呼吸不全)、血液凝固の異常 (DIC)、軟部組織炎 (皮膚や筋膜などの炎症、壊死)、全身性の紅い発疹、けいれん、意識消失などの症状のうち2つ以上の症状がみられる。
- 通常は菌が存在しない部位 (血液、脳脊髄液、胸水、腹水、生検組織、手術創など)からA群溶血性レンサ球菌が検出された。
上記、1-3の項目にあてはまったら、劇症型溶連菌感染症と診断されます。全症例報告対象の感染症であるため、診断した医師は7日以内に最寄の保健所に届出なければいけません。
治療法
全身管理のもと、抗菌剤による治療が行われます。また、皮膚や筋膜に壊死した部分がある場合は、菌の住みかとなります。
さらに壊れた筋組織により腎不全、代謝性アシドーシス (血液や体液が酸性に傾き、状態が悪くなる)が悪化するのを防ぐため、壊死した部分が切除されます。
さらなる重症化を防ぐため、できるだけ早期に治療を開始することが必要です。
予防法
A群溶血性レンサ球菌が、傷口から筋膜や血液に入り込み感染するといわれています。普段から、手洗い・うがいを行い、傷がある場合には、傷口を清潔に保つようにしましょう。
もし、創部が腫れたり、赤くなったり、痛みがあったり、発熱した場合は、直ちに病院を受診しましょう。
まとめ
劇症型溶連菌感染症は、突然やってきます。毎日の感染予防対策が重要ですが、もし、それらしき症状がみられたら、ためらわずに、直ちに病院を受診することも大事です。