
糖尿病性腎症は、糖尿病三大合併症の1つですが、どのようなメカニズムで起こってきて、どのような症状がでてくるのでしょうか?また、どのようにして治療されていくのでしょうか?
糖尿病性腎症は、そのまま放置していると、やがて腎不全を引き起こし透析が必要になってしまいます。ここでは、そんな糖尿病性腎症の原因・症状・治療法(薬)についてまとめていきます。
原因は?
糖尿病腎症は、糖尿病で高血糖の状態が続くことにより、細小血管が生涯されて起こってきます。
糖尿病になり高血糖の状態が続くと毛細血管や細小動脈に障害が生じてきますが、特に細かい血管がたくさん集まっている網膜、神経組織の周りの血管、腎臓の糸球体に合併症が起こりやすくなります。
高血糖状態が続くことで細小血管が集まっている腎臓の腎皮質にある糸球体が障害を受け、糸球体の基底膜が肥厚してきて硬化性病変が現れて腎機能が低下してしまいます。
症状は?
糖尿病性腎症は、初期には自覚症状がありません。検査をしてみると、微量にアルブミン尿を認めることがあり、これが糖尿病性腎症の早期発見の決め手と言われています。
しかし、この微量アルブミンは、市販の尿試験紙等では検出できないくらいの微量の尿中アルブミンで、医療機関などでアルブミンと同時に尿中のクロムも測定し、その比率が3回測定して2回以上が30~299mg/gCrとなっていれば、微量アルブミン尿と判断されます。
これで微量アルブミン量と判断されれば、糖尿病性腎症が始まっているということになります。また、さらに進むと、高度のタンパク尿という形で症状がでてきて、やがて腎不全に行こうしていきます。
もし、糖尿病の人でタンパク尿がでてき始めたら、糖尿病性腎症を疑って速やかにこれに対する治療を行う必要があります。
治療法や薬は?
糖尿病性腎症の治療は、食事療法と運動療法に加えて、厳格な血糖コントロールが必要になります。食事療法では、タンパク尿がでているので、タンパク制限をするとともに、エネルギーのとりすぎにも注意します。
また、糖尿病の場合は、高血圧状態となっている場合も多く、腎臓に悪影響を及ぼすので、血糖のコントロールと合わせて、降圧剤での血圧管理も行っていきます。
血圧の管理としては、ACE阻害薬やアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬のようなインスリンの作用をサポートする働きがある薬剤が用いられます。
ACE阻害薬、アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬はともに末梢の血管を拡げて血圧を下げる働きがあります。腎臓に対しては、末梢の血管を拡げ、腎臓の糸球体の最小血管を拡げ、血流をよくして糸球体の内圧を下げ、タンパク尿を改善し、腎機能の悪化を抑えていきます。
アンジオテンシン変換酵素という酵素を阻害することで、動・静脈の血管を拡張していきます。代表的な薬としては、タナトリルがあります。
アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬は、アンジオテンシンⅡ受容体という受容体に働き血管を拡張していきますが、代表的な薬としては、ニューロタンがあります。
まとめ
糖尿病性腎症は、放っておくと将来腎不全を起こし、透析が必要となってしまいます。こうならない前に、きちんとケアしておくことが大切です。
糖尿病性腎症の場合は、食事療法や運動療法による血糖のコントロールとともに、インスリンの作用を助ける働きもある血管拡張作用がある降圧薬を使って、腎臓の血流をよくしてタンパク尿を改善し、腎機能の悪化を抑える治療薬が使われます。