
私たちはよく首や肩がこった場合に、湿布を貼ることがあります。果たして、湿布は効いているのでしょうか。また、肩や首のこりがある場合、湿布以外の対処法はあるのでしょうか?ここでは、そんな情報をまとめていきたいと思います。
首や肩のこりに湿布は効果があるのか?
ひとくちに湿布といっても、大きく冷感湿布・温感湿布・鎮痛消炎成分を配合した湿布の3つに分類することができます。
このうち冷感湿布と温感湿布は、基本成分としてサリチル酸メチルやサリチル酸グリコールといった消炎成分に、冷感成分としてメントールが配合されていたり、温感成分としてトウガラシエキスが配合されていたりします。
そして、もう1つが、インドメタシンやケトプロフェンといった非ステロイド系の鎮痛消炎成分を配合した湿布薬があります。
これらは薬局やドラッグストアなどでも、「医療用と同じ成分配合」などの製品コピーがあったりしますが、市販薬だけでなく、骨折したり腰痛したりしたときに病院やクリニックで出される湿布も、こうした鎮痛消炎成分を配合した湿布薬になっています。
さて、こうした湿布は、首や肩のこりに効果があるのでしょうか。こうした製品の効能・効果をよく見てみると、効能・効果に「肩こりに伴う肩の痛み」と書いてあります。
病院で処方される医療用の湿布の効能には首・肩こりに該当する部分としては、「肩関節周囲炎など」と記載されています。つまり、首や肩のこりによる痛みは軽減しますが、首や肩のこり自体を治すわけではありません。
非ステロイド系の鎮痛消炎成分を配合した湿布は、首や肩のこりからくる痛みの原因となているプロスタグランジンという物質ができるのを抑えることにより、首や肩のこりからくる痛みを緩和します。
炎症が治まることにより血行が改善し、そのことによって首や肩のこりが多少良くなるということも考えられますが、それは副次的な作用であり、直接こりをほぐすものではありません。
サリチル酸メチルやサリチル酸グリコールといった消炎成分が入った湿布でも、ビタミンEなどの血行改善成分が配合されていますが、直接首や肩のこりをほぐすものではありません。湿布は、首や肩のこりを治すというよりも、それによるつらい痛みを取ってくれる薬と言えます。
湿布以外の対処法は?
首や肩のこりは、同じ姿勢を長時間とっていたり、運動不足から、首や肩の筋肉に負担がかかり、筋肉が損傷するなどして炎症が起き、それが血行を悪くして筋肉がこわばってくることで起こってきます。
まずは、同じ姿勢を長時間とったままでいたり、運動不足といった生活習慣を見直し、首や肩こりの原因になっている悪しき習慣をなくしていくことが大切です。
そして、首や肩がこってしまったら、マッサージや指圧も良いでしょう。東洋医学的には、首や肩のこりは気の不足や停滞によって起こるので、外からマッサージしたり指圧することでエネルギーを加えてやることにより、気の通りを良くするので、症状が改善します。
しかし、物理的に停滞しているところを外からの外圧で押し出したようなものなので、しばらくたつとまたこってきてしまいます。
筋肉がこわばる段階として、血行が悪くなりますが、この血行を良くすることで、首や肩のこりが改善していきます。この血行をよくするという考え方での対処が、マッサージや指圧もそうなのですが、患部を温める温熱療法やピップエレキバンに代表されるような磁気治療です。
患部を温めると筋肉がほぐれるだけでなく、血行も良くなります。磁気治療の場合は、磁気が体内に働きかけて血行が良くなることで、筋肉にたまった老廃物などが流れていって首や肩のこりが楽になっていきます。
まとめ
首や肩のこりに関しては、湿布はつらい痛みをやわらげてくれます。しかし、筋肉自体のこりを直接ほぐすような働きはありません。筋肉のこりにアプローチをする方法としては、こっている筋肉の血行をよくすることで、こうした対処法には、マッサージ、指圧、温熱、磁気治療などがあります。