普段は意識することもなく行っていたのに、何だか唾液が飲み込めない!唾液が飲み込めないのは、病気が原因かもしれません。
今回は、唾液が飲み込めない原因についてまとめます。
目次
唾液が飲み込めない状態とは?
何だか唾液が飲み込めない、食べ物ものどを通りにくいといった状態を「嚥下障害(えんげしょうがい)といいます。
嚥下障害は、病気による症状のひとつとして現れます。嚥下障害が起きる原因には、大きく分けて3つの原因があります。
それでは、タイプ別に原因についてまとめます。
唾液が飲み込めないときに考えられる原因
1.器質的原因(きしつてきげんいん)
器質的原因では、口内やのど、食道に腫瘍や傷、腫れがあるなど、食べ物の通路に問題や障害物があって、飲み込みにくくなります。
主な病気としては、口内や舌、扁桃、咽頭、喉頭、食道が炎症を起こしている場合(口内炎や舌炎、扁桃炎、咽頭炎、喉頭炎、食道炎など)、風邪などによるのどの腫れ、口腔や舌、咽頭、喉頭、食道ガンなどがあります。
2.機能的原因(きのうてきげんいん)
機能的原因では、唾液や食べ物の通路の動きに問題があって、飲み込みにくくなります。主な病気としては、次のようなものがあります。
脳血管障害や脳腫瘍、脳膿瘍、脳炎などにより、嚥下機能をコントロールしている神経が障害され、筋肉への伝達が上手くいかず飲み込みづらくなります。
その他、筋萎縮性側索硬化症(きんいしゅくせいそくさくこうかしょう:ALS)やパーキンソン病などの神経に異常を来たす病気や、多発性筋炎や重症筋無力症、筋ジストロフィーなどの筋力が低下してしまう病気で飲み込みにくくなります。
また、加齢に伴う嚥下機能の低下も機能的原因になります。
3.心理的原因(しんりてきげんいん)
心理的原因とは、食べ物の通路には、炎症や腫瘍などはなく、運動的には何も異常が認められないけれど、飲み込みにくいといった症状がある場合です。
ストレスや精神的な疲れ、過労などが原因となって飲み込みにくいといった症状が現れることがあります。
まとめ
唾液が飲み込めないといった症状が起きる原因としては、器質的原因、機能的原因、心理的原因があります。
- 器質的原因では、口腔内、食道など唾液や食べ物の通路に炎症や腫瘍があり、唾液や食べ物が通りにくくなります。
- 機能的原因では、唾液や食べ物の通路の動きに問題があって、唾液や食べ物が飲み込みにくくなります。
- 心理的原因は、ストレスや精神的な疲れ、過労などから、口腔内や食道には何の異常も認められないけれど、唾液や食べ物が飲み込めなくなります。
普段は、何気なく行っている「飲み込む」という動作がしづらくなったり、できなくなるのは、風邪によるのどの腫れという場合もありますが、大きな病気が原因の場合もあります。
また、嚥下障害は、食べ物などが間違って気道に入って起きる誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)を引き起こしやすくなります。
気になる症状がある場合は、早期に医師の診察を受けましょう。