風邪やインフルエンザが治ったと思ったのに、なかなか咳が止まらない。もちろん、単に長引いているということもありますが、なかには喘息を発症していることも少なくありません。
喘息は生まれつきの体質が原因だけではなく、成人してからも喘息になります。そこで、今回は、喘息の咳の特徴と症状、痰での見分け方についてお話します。
喘息の咳はどういうもの?
喘息の方は健康な方と比較して、慢性的に気管支に炎症が起きており、空気の通り道である気道が狭くなっている状態を指します。気道がせまくなっているために気道上皮がはがれやすくなり、粘膜がむくんで刺激に対して敏感になっています。
さまざまなことが誘因となり、気道の炎症が進み、平滑筋という気道にある壁が縮むことでさらに気道が狭くなり苦しくなって咳が起こります。
誘因のもととしては、タバコやダニなどのアレルギー物質、排気ガス、ほこりなどが挙げられます。喘息の方は発作である咳が出ていない時でも気管支が常に狭くなっていることが特徴です。
喘息の主な症状は咳や息苦しさですが、初期症状においては痰が出ることもあり、風邪との区別が困難なケースもあります。
喘息の症状である咳には特徴があります。
- 呼吸音にゼーゼー・ヒューヒューという音が混じっている
- 夜間や早朝に出やすい
- 咳で睡眠が妨げられる
- 運動時、運動後が苦しい
- タバコや大気汚染など誘因物質に反応して咳が起こる
痰で判別も?喘息の診断方法は?
冒頭でもふれましたが、小さい頃から喘息だと自覚している方以外でも、大人になって喘息を発症する方がいます。生活環境やストレス、風邪の悪化や消化器官の脆弱化、タバコなどさまざまな要因がもととなり、喘息になってしまうことがあります。
喘息発症年齢の割合として、20歳前での発症が20%、20~40歳での発症が30%、40歳を超えてからが50%と、成人してからの方が多いことがわかります。
喘息はなんといっても、苦しい咳の症状がもっとも特徴的ですが、痰が出ることもあります。喘息の痰の特徴は粘り気があることですが、咳と痰ということで風邪や他の病気の可能性もあります。
そこで、痰の特徴で考えられる病気を以下に挙げます。
無色透明で粘り気がある
慢性的なせきとともにこうした痰がでる場合は、気管支喘息が疑われます。乾燥しやすい季節やタバコを吸う40代以降の方に多くみられるといいます。
緑色っぽい痰
緑色がかったような痰は、膿性の痰である可能性が高く、緑膿菌という菌に感染することが原因です。この場合緑膿菌肺炎にならないためにも、殺菌薬を処方してもらい治療することが大切です。
黄色い痰
マイコプラズマや肺炎球菌、インフルエンザなど冬場のウイルス感染が原因で出ることが多いです。
赤い痰
血が混ざっている可能性があります。血が混ざっている=肺炎や結核だけではありません。血の出どころを探るためにも血の色や量を医師に伝えられるようにしてきちんと検査してもらってください。
その他にも…
このほかにも痰かと思っていたら、「副鼻腔炎(蓄膿症)」が原因による鼻水が喉の方にきたことが原因のケースもあります。痰一つではなかなか診断はつかないものの、喘息に関して痰も症状としてあるということを覚えておいてください。
喘息は併発しやすい病気として、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎がありますので、そちらが原因となっての痰も大いに考えられます。その場合、喘息の治療とあわせて治療を行うことになります。
まとめ
大人になってからも発症する可能性のある喘息。放置しておいて治ったと思っても、治療を継続しなければ気管支が狭いままなので、ふたたび発作を引き起こします。咳が長引いているという方は、一度呼吸器科を受診されることをおすすめします。