急性中耳炎は6カ月から2歳くらいの子供がかかることが多い耳の病気です。いったん治っても繰り返し症状がでる慢性中耳炎になってしまうこともあります。
急性中耳炎は風邪をひいたことをきっかけに、鼻から耳に菌が入り込んで鼓膜の奥に炎症をおこします。初期の症状は発熱、耳の痛み、耳漏(耳から膿が出る)などです。中耳炎がひどくなり内耳まで炎症が広がると、めまいや耳鳴り、難聴(耳が聞こえにくい)の症状もでてきます。
小さな子供は風邪をひきやすいことや大人と比べて耳管が太く短いため菌が入り込みやすいので、中耳炎になりやすいと言われています。今回は、耳下治療薬のパピナリンの効果・副作用について解説していきます。
効果
パピナリンに含まれるアミノ安息香酸エチルとプロカイン塩酸塩には痛みを和らげる作用があります。
また、フェノール、アクリノール水和物、ホモスルファミンの殺菌作用によって原因菌をやっつけます。中耳炎や外耳炎に伴う耳の痛みやかゆみ、耳漏に効果があります。
使用方法は1回に1~3滴を直接耳に滴下するか、ピンセットなど使って薬液を浸した脱脂綿を耳内に入れてください。薬液が乾いたら脱脂綿を耳内から取り出します。
長期連用はしてはいけません。5~6日使用しても症状が改善しない場合は、使用を中止して病院を受診するようにしましょう。
副作用
パピナリンはほとんど副作用のない薬です。添付文書には「皮膚の発疹・発赤・かゆみ」「耳の化膿・腫脹・刺激感」と書かれていますので、これらの症状がでた場合には医師や薬剤師に相談するようにしてください。
まとめ
中耳炎は子供がよくかかる身近な病気です。発熱や痛み、腫れなどの症状は急にでますが、2~3日から1週間くらいで治まります。
しかし、耳の奥にたまった膿が完全になくなるには1ヵ月くらいかかります。膿の量が多い場合は2~3ヵ月かかることもあります。耳の中に膿がたまったままだと、耳が聞こえにくくなります。
痛みなどの症状が治まったからと言って中耳炎が治ったわけではありません。耳の中に膿が残ったまま中途半端に治療を中止してしまうと、中耳炎を繰り返すことになります。時間はかかりますが、最後まで治療を続けましょう。
10歳くらいになれば耳管も発達し、体力がついて風邪もひきにくくなるので、中耳炎をおこすことは少なくなります。
大人の場合は急性中耳炎になることはまれですが、いったん中耳炎をおこしてしまうと子供に比べて治るのに時間がかかりやっかいです。気になる症状があれば病院を受診しましょう。