小さな子供はよく転びます。転んでひじやひざにすり傷を作ることはしょっちゅうあります。そうやって小さなけがをしながら、転んでも大きなけがをしないように上手な転び方を学習しているのです。
しかし、できてしまったすり傷をそのままにしておくと、ばい菌が入って化膿することもあります。傷口はきれいに洗って消毒しておきましょう。
今回は、そんなときにおすすめの消毒薬のイソジンきず薬について解説していきます。
効果
イソジンきず薬の有効成分であるポピドンヨードは、ヨウ素の酸化作用を利用した消毒薬です。手術時の皮膚の表面の消毒や手指の消毒にも使われている成分です。
水溶液なので皮膚への刺激性や組織障害性が少なく、多くの細菌に殺菌効果があります。即効性に優れていることも特徴です。切傷、さし傷、すりむき傷、靴ずれ、火傷などの患部の殺菌・消毒や、とびひ、おできなどの感染皮膚面の殺菌・消毒に効果があります。
使用方法は、1日に数回、患部に塗布してください。清潔な綿球などに薬液を十分しみこませ、傷口の中心部から外側に向けて広めに塗布し、しっかりと乾燥させてください。
薬液の茶色い色は、消毒作用の効果を示しています。色が薄くなると消毒効果もなくなりますので、色の変化は薬を塗り直す目安になります。
副作用
イソジンきず薬は外用薬なので、副作用が出る心配はほとんどありません。まれに塗布した部分に発疹・発赤、かゆみが出る場合があります。
そのような症状が出た場合は、副作用の可能性がありますので、すぐに使用を中止して医師または薬剤師に相談してください。
ごくまれですが、薬に対するアレルギーでアナフィラキシーショック(使用後すぐに、皮膚のかゆみ、蕁麻疹、声のかすれ、くしゃみ、のどのかゆみ、息苦しさ、動悸、意識の混濁などがあらわれる)といった重篤な症状をおこす可能性があります。その場合は、すぐに医療機関を受診して医師の診察を受けてください。
まとめ
小さなきり傷やすり傷は日常よくあるものです。しかし、傷口から細菌などが入って化膿すると傷の治りが悪くなります。放置せずにすぐに手当てをしておきましょう。
消毒薬をつける前には、傷口についた泥や砂などをきれいな水で洗い流します。そのとき、手もきれいに洗いましょう。皮膚の水分を軽くふき取ってから、消毒薬を塗ります。
消毒薬は傷口の中心部から外側に向かって円を描くように塗るのがポイントです。ガーゼや救急バンなどで傷口を保護する時には、消毒薬が乾いてから傷口をおおいます。