頭痛や発熱時によく使用されるカロナールですが、カロナールを飲んだけれど治らない場合があります。そんな時は、どうしたらよいか?今回は、カロナールが効かない理由と効かない場合の対処法を紹介していきたいと思います。
目次
カロナールが効かない理由は?
まずは、カロナールが効かない理由を見ていきましょう。
服用量が不十分?
カロナールを痛み止めに使用する場合の服用量には、かなり幅があります。成人で、1回300mg~1,000mgまで服用可能です。4~6時間の服用間隔をあけて、1日の総量は、4,000mgまでです。
ちなみに解熱に用いる場合は、成人で1回300~500mgで原則1日2回までで、1日の最大量は、1,500mgまでです。もし、増量可能であれば、もう少し服用量を増量したら効果が見られる可能性もあります。
服用タイミングが問題?
カロナールの服用のタイミングによって効かない場合があります。熱を下げるためにカロナールを服用する場合、熱が上がっている最中に服用しても、熱の上がる勢いに薬の効果が打ち消されてしまいます。
カロナールでは効かない痛みかも?
カロナールは、比較的副作用が少なく、効果も穏やかであるため、乳幼児から使用できる解熱鎮痛剤です。しかし、時にカロナールではなかなか頭痛や熱が治らない場合があります。それは、強い炎症により頭痛や熱が生じている場合です。
カロナールの鎮痛、解熱の作用機序は、未だ明確になっていませんが、ロキソニンなどの非ステロイド性消炎鎮痛剤とは異なり、脳に作用して効果を示していると考えられています。鎮痛作用は、脳の痛みを認知する部分に働き、痛みを抑えます。
解熱作用は、脳の視床下部にある体温調節中枢に働いて、熱を下げると考えられています。カロナールには、炎症を抑える作用はほとんどありませんので、消炎効果は期待できません。そのため、炎症が強い場合は、痛みや熱が治まりにくいと考えられます。
治らないときの対処法は?
それでは、なかなか症状が改善されないときの対処法を見ていきましょう。
増量してみる
カロナールの服用量が最大量に達していない場合は、服用量を増やしてみるとよいでしょう。ただし、長期大量投与で肝障害を起こすことが知られていますので、短期間にとどめ、効果が見られない場合は、薬の変更を考慮ください。
熱が上がりきってから飲む
解熱にカロナールを使用する場合、熱が上がりきってから使用するのが効果的です。熱の上がりきりの目安は、顔が赤くなり、体が熱くなって汗が出始めた頃です。
薬を変更してみる
カロナールを服用しても頭痛や熱が治まらない場合は、消炎効果のあるロキソニンなどの「非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)」に薬を変更してみましょう。
NSAIDsは、シクロオキシゲナーゼという酵素を阻害して、炎症や痛みの原因となるプロスタグランジンの産生を抑え、炎症を鎮めます。そのため、炎症による頭痛や発熱を効果的に治します。
ただし、NSAIDsには、胃を荒らす作用があるため、胃腸の疾患(消化性潰瘍など)をお持ちの方や、胃の弱い方は、特に注意が必要です。医師の診察のもと使用されることをおすすめします。
病院を受診する
増量、NSAIDsへの変更を試みても頭痛や熱が治まらない場合、それは、そもそもカロナールやNSAIDsでは効かない頭痛や熱かもしれません。さらに、脳に何らかの病変がある恐れもありますので、早期に医師の診察を受けるようにしましょう。
まとめ
カロナールが効かない原因には、服用量が十分足りていないこと、服用のタイミングの問題、カロナールではカバーできない強い炎症性の頭痛や熱であることが考えられます。ただし、カロナールの増量や、薬の変更を希望する際は、事前に医師に相談して、医師の指示通りに服用することが大切です。