体内に炎症が起こると防御反応で熱が出ます。熱を鎮めるためには薬剤を使用するのが効果的ですが、炎症や熱の源に作用することで、痛みや腫れ、熱などが下がります。
今回は解熱鎮痛効果のあるアスピリンの効果や副作用について解説します。
効果
アスピリンはアスピリンを主成分とする解熱・鎮痛・消炎薬です。
主に関節リウマチ、リウマチ熱、変形性関節症、強直性脊椎炎、関節周囲炎、結合織炎、術後疼痛、歯痛、症候性神経痛、関節痛、腰痛症、筋肉痛、捻挫痛、打撲痛、痛風による痛み、頭痛、月経痛等に効果を現します。その他、急性上気道炎や川崎病などにも効果を現す薬剤です。
痛みや発熱を引き起こす原因には、体内のプロスタグランジンが関与しています。
- 有効成分がプロスタグランジンの酵素であるシクロオキシゲナーゼを阻害することにより、痛みや腫れ、発熱などの症状を緩和してくれます。
- また、抗血小板作用で血小板の働きを抑制して血管内の血液が凝固するのを防止する作用もあります。
- その他、脳の体温調節に関与する中枢に働きかけ、血流を促すことで熱の放散が高まり熱を鎮めてくれます。
特に乳幼児に見られる川崎病は、血管系に障害をもたらすことがあるため、抗炎症作用で心血管に問題が起こらないように処方することもあります。
アスピリンの内服用法・用量は症状や年齢などにより調整します。
関節リウマチ、変形性関節症、、リウマチ熱、などについては、1回0.5~1.5g、1日1.0~4.5gを内服し、急性上気道炎では、1回0.5~1.5gを頓用して、1日2回、1日最大4.5gまで内服することが可能です。
各症状について効果が得られるまで時間がかかることがあるので、医師の指示に従い内服しましょう。
副作用
解熱鎮痛薬では胃腸系に副作用が起こることがあります。
主な副作用は食欲不振、胸やけ、悪心、嘔吐、胃痛、胃腸障害、腹痛、便秘、下痢、食道炎、胃部不快感など胃腸系も副作用が見られます。その他、少ない頻度で発疹、浮腫、貧血なども見られることがあります。
重篤な副作用が起こることは稀ですが、内服直後のショック、アナフィラキシー症状には注意するようにして下さい。
蕁麻疹、全身発赤、喉の痒み、くしゃみ、血圧低下、意識混濁、呼吸困難など見られたら直ちに医師の診察を受けるようにして下さい。また、消化管や脳、肺、眼底などの出血傾向、消化性潰瘍なども副作用として起こるため、状態を観察しながら内服するようにします。
長期間内服すると肝臓に負担がかかり肝障害を発症することがあります。
肝機能値を表すAST(GOT)、ALT(GPT)、γーGPTの上昇や黄疸が見られた時は適切な治療を受けるようにして下さい。
アスピリンでは、抗凝固剤を含む併用薬に注意する必要があります。薬の併用により、効果が増強して副作用に繋がる恐れがあるので、併用している薬がある場合は必ず医師に伝えるようにしましょう。
まとめ
アスピリンは解熱鎮痛効果の優れた薬剤で、痛みを伴う症状に効果があります。
痛みは不快な症状なので、早目に取り除くことが大切です。痛みや熱を我慢すると症状が悪化したり、快適な日常生活を送れなくなってしまいます。
症状がある時は無理せず内服薬で症状を緩和しましょう。