てんかんは痙攣や意識障害を伴う病気で、脳の神経細胞の異常によって引き起こされます。この様な病気は自分で努力をしても止めることができないため薬による治療が有効です。今回は、そんな症状に効くクロナゼパムの効果や副作用について解説します。
効果
クロナゼパムは有効成分にクロナゼパムを含有する抗てんかん剤です。主にミオクロニー発作に効果があるほか、、失立(無動)発作、点頭てんかん(幼児けい縮発作、BNS痙攣等)、精神運動発作、自律神経発作等に効果があります。
クロナゼパムは「強直間代(きょうちょくかんたい)発作」と呼ばれる突然起こる全身性の痙攣や5秒〜数十秒に渡り痙攣が起こる欠神発作、意識障害や異常行動などの部分発作などの治療に用いられます。
てんかん症状は脳の神経細胞に問題が起こり症状を発症しますが、有効成分が脳の神経を鎮めて発作が起こるのを防いでくれます。脳の興奮を鎮めてくれる作用があるため抗てんかん剤として用いられるほかパニック障害の治療薬として使用されることがあります。
そのほか、レストレスレッグ症候群(むずむず脚症候群)や不安障害、躁病やうつ病など精神、神経系の症状に応用されます。
成人や小児ではクロナゼパムとして0.5~1mg、乳幼児では体重1kgあたり0.025mgを1日1回〜3回に分けて経口投与します。クロナゼパムは年齢や症状、体重によって内服量が異なるため、医師の指示に従い内服するようにしましょう。
副作用
クロナゼパムは安全性の高い薬剤ですが、独自の判断で内服を中止すると副作用に繋がるので注意しましょう。主な副作用には、投与初期に眠気やふらつき、脱力感などがあります。
その他、頭痛や喘鳴、発疹、倦怠感、注意力や集中力の欠如など副作用として見られることがあります。重大な副作用が起こることは稀ですが、大量に連続して内服すると薬物依存を生じることがあるので用量を守って内服するようにして下さい。
また、急激に内服量を減らすことも副作用に繋がるため独自の判断で内服量を増減するのは止めましょう。急激な減量では痙攣発作、せん妄、振戦、不眠、不安、幻覚、妄想など離脱症状が見られることがあるので注意して下さい。
呼吸抑制や刺激興奮、肝機能障害などの副作用が見られたら投与量を減量するか、投与を中止するなど医師の指示に従い適切な処置を受けるようにして下さい。
妊婦や高齢者が内服する場合も慎重に投与を行い、医師の指示に従い内服しましょう。授乳中の方は母乳に移行し、新生児に悪影響を及ぼす可能性があるため内服を避けるのが望ましいです。他に併用している薬剤がある場合は医師や薬剤師に相談して内服するようにして下さい。
まとめ
クロナゼパムは抗てんかん剤の薬で、脳の神経を鎮めてくれる作用があります。安全性の高い薬ですが、独自の判断で薬の量を増減するのは危険なため必ず医師の指示に従いようにしましょう。安定剤など併用している場合も医師や薬剤師に相談して内服するようにして下さい。