
目の違和感で鏡を見ると真っ赤に充血していたり、寝起きに目やにで目をうまくあけられなかったりなど、急に目の異常が起こることがあります。結膜は上下のまぶたの裏と白目の部分を覆っている半透明の膜です。
細かい血管やリンパ組織があり、異物が進入するとそれを排除するための免疫反応が起こります。外界と接している結膜は、細菌やウイルスに直接さらされることになり、感染のリスクが高い場所です。
ここでは、ウイルス性の結膜炎の原因や症状、治療法、治療薬についてご紹介致します。
ウイルス性結膜炎の原因
主な結膜炎の種類は、細菌性結膜炎、ウイルス性結膜炎、アレルギー性結膜炎などがあります。ウイルス性結膜炎は、アデノウイルス、エンテロウイルス、ヘルペスウイルスなどのウイルス感染により起こります。
人から人へ感染していき、学校などでの集団感染や家庭内感染などで広がりやすく感染力が強いので注意が必要です。
ウイルス性結膜炎の種類別症状と治療法
ウイルス性結膜炎には、流行性角結膜炎、咽頭結膜熱、急性出血性結膜炎、ヘルペス性結膜炎などがあります。
ウイルス性結膜炎に対する有効な薬はなく、ウイルスに対する抵抗力がつくことで徐々に症状が治まっていき、通常は、3週間~1ヶ月くらいで治ります。
治療は対処療法で、炎症を鎮める作用の非ステロイド抗炎症点眼薬、ステロイド点眼薬や、細菌感染予防効果のある抗菌点眼薬などが処方されます。
流行性角結膜炎の場合
アデノウイルス(8型、19型、37型、54型など)感染により起こります。一般的にはやり目といわれていて、涙や目やに、結膜の充血、眼痛などがあり、かゆみはほとんどありません。
強い症状の場合、耳の前や顎の下のリンパ節の腫れや、結膜に白い炎症性の膜が生じる場合があります。
潜伏期間は1週間~10日で、発症後1週間頃に病状のピークがきて、その後は徐々に治まってきますが、強い炎症状態にまでに進行してしまった場合は、角膜(黒目)の表面に濁りが出ることもあります。
角膜の濁りが出た場合には、副腎皮質ステロイド薬の目薬が処方されます。濁りの治療には数ヶ月かかる場合があります。
咽頭結膜熱の場合
アデノウイルス(3型、4型、7型など)感染により起こります。結膜の充血や目やには少なく、39度前後の高熱と強い喉の痛みが発生します。
夏に流行することが多く、プールでの感染などの可能性もあるため、プール熱ともいわれています。炎症の緩和や細菌感染を防ぐため、抗菌目薬などを使用します。発症から10日くらいで回復していきます。
急性出血性結膜炎の場合
エンテロウイルス(70型)やコクサッキーウイルス(A24変異型)などの感染により起こります。潜伏期間は1日くらいで急性の症状として、目やにやゴロゴロとした異物感、結膜下出血により、白目の部分が真っ赤になります。
昔はアポロ病とも呼ばれていました。抗菌薬による対処療法を行いながら、休養をしっかりとり、ウイルスに対する抗体をつくることにより自然治癒を待ちます。
ヘルペス性結膜炎の場合
単純ヘルペスウイルスに感染することで起こります。ほとんどの場合両目ではなく片目にみられ、目のまわりの皮膚に小さな水泡が出ることもあります。治療はヘルペスに対する軟膏薬などを使用します。
最後に
結膜炎の原因ウイルスは感染力が強いため、ウイルスが付着した手やハンカチやタオルなどからも感染を広げてしまいます。
家族にウイルス性結膜炎を発症した人が出た場合、熱や乾燥には弱いので、煮沸消毒、洗濯物はしっかり乾燥させ、タオルなどを共有で使用しないなどのことに注意し、家庭内感染を防ぎましょう。
子供の場合眼科医の診断のもと登校を控え、感染を拡大しないようにする必要があります。
結膜炎の症状が治まっても角膜の濁りが生じ視力が低下する危険性もあるので、眼科での治療はしっかりと完治するまで続けることが大切です。