鼻風邪かと思っていたその症状がもしかしたら副鼻腔炎という病気かもしれないということをご存知でしょうか。症状がとてもよく似ているため、放置したり自己判断で治そうとしてしまう方も少なくありません。
そこで今回は、副鼻腔炎の自然治癒は可能なのかについてみていきたいと思います。
副鼻腔炎の自然治癒は可能?
副鼻腔炎とは、またの名を蓄膿症ともいいます。鼻には鼻の穴がありますが、そのさらに奥には 上顎洞(じょうがくどう)、篩骨洞(しこつどう)、前頭洞(ぜんとうどう)、蝶形骨洞(ちょけいこつどう)といわれる空洞が左右4つずつ、合計8個存在します。これらは副鼻腔と呼ばれる鼻の穴にすべて通じています。
本来正常時には、この空間に溜まった膿や異物を鼻水とともに排出する働きがありますが、副鼻腔に炎症が起こって腫れてしまうと、この働きが妨げられ、副鼻腔炎となってしまいます。
これが副鼻腔炎のメカニズムです。症状としては、サラサラとした風邪の鼻水とは異なり、ドロっとした重たい鼻水や、黄色や緑色などの色がみられること、そして鼻づまりによる味覚や嗅覚の鈍化などが見られます。
では、副鼻腔炎を自然に治すことは可能なのでしょうか。答えはイエスでもあり、ノーでもあります。この理由については次の項で詳しくご説明します。
自然治癒の起こり方
副鼻腔炎の症状は辛く、食べ物の味がわかりにくくなってしまったり、人によっては頭痛をもともない、普段の生活にも支障をきたします。
そんな副鼻腔炎が自然に治れば良いですよね。かかってしまってもなかには自然に治るという人や、副鼻腔炎になっていたことすら気がつかないで終わる方という方もいます。
それは、急性副鼻腔炎の場合です。急性副鼻腔炎とは、風邪やウイルス、細菌などが原因となって炎症が生じ、風邪の症状とともに現れたりするため、風邪の一環かと思い気がつかないことも少なくありません。
しかし、症状が3ヶ月以上続くなど慢性化してしまった副鼻腔炎は自然には治りにくいものです。きちんと耳鼻咽喉科など専門機関の受診を受けて、鼻の洗浄や慢性化の原因となっているアレルギーの対策や喘息などの治療もあわせて必要となります。
まとめ
辛い副鼻腔炎の症状。風邪や細菌が原因となる一過性のものは自然に治ることもありますが、長期化してなかなか治らない場合はすみやかに専門の医師の受診を行うことをおすすめします。