足の水虫を治療もせずに数年たってしまうと、爪水虫になってしまう可能性があります。爪水虫は爪白癬といわれ、白癬菌という真菌(カビの一種)が爪の奥にまで侵入し繁殖していきます。
初期には痛みやかゆみもないためそのまま数年放置してしまう人も多く、爪の色が濁り、変形し、爪が厚くなってボロボロともろい爪になってきたりすると、靴などを履いたときに痛みを発症し歩きにくくなってきます。
治療しないでいると、問題は自分だけでなく、家族や周囲の人々への感染力が日に日に増していくことです。今回は、爪水虫を引き起こす原因や症状、その治療法や薬などについてご紹介致します。
爪水虫を引き起こす原因
爪水虫患者のほとんどが、「足水虫(足白癬)」を持っています。足の水虫を治療せずに長い期間そのままにしていると、白癬菌が爪の奥にまで入り込んで、爪の中で増殖を繰り返していきます。
爪水虫は、水虫の中で最も治りにくいといわれていて、進行すると手の爪にまで発症してしまうこともあります。
爪水虫の症状
白癬菌が神経のない爪に入り込んだ爪水虫では、かゆみや痛みなどの自覚症状がほとんどありません。爪の色が褐色や白色になったり、変形や線が出てきたりします。
そのまま治療をしないでいると爪が徐々に分厚くなり、靴を履いたときに圧迫されることにより痛みを生じるようになります。
爪水虫の治療法
顕微鏡検査で白癬菌の確認は、爪の一部を採取して行います。水虫の治療薬の抗真菌剤には、外用薬と内服薬がありますが、爪水虫は外用薬だけでは爪の中にまで入り込んだ白癬菌に届かないので、内服薬の治療を中心として行われます。
爪水虫の治療薬
ラミシール錠
基本毎日の服用になります。殺真菌作用の薬で真菌の増殖を抑制します。肝機能の低下が起こる副作用が発生する可能性があるので、医師の管理のもと定期的な血液検査をし、肝機能の数値が正常であるか確認しながらの処方になります。
また、ラミシール錠については、こちらの記事でも詳しく紹介しています。
イトリゾール
殺真菌作用の薬で、細胞膜の生合成を阻害します。1週間続けて服用後、3週間休むというサイクルの繰り返しにより治療します。
呼吸器真菌症や消化器真菌症などでも処方されています。初診のときに血液検査は行いますが、その後は定期的な血液検査は必要のない薬です。
また、イトリゾールについては、こちらの記事でも詳しく紹介しています。
副作用について
どんな薬にも副作用はつきものです。抗真菌薬には、吐き気、下痢、腹痛などの消化器の症状や、肝機能のGPT・GOTの上昇がみられたりする可能性があります。
重い病気中の人や、貧血があったり、腎臓や肝臓の機能低下があったりする場合は、薬を処方できません。専門医での定期健診だけでなく、日常の生活習慣にも注意し、からだ全体の健康を保つ事も重要です。
最後に
爪の伸びる速度は、個人差はありますが、足の親指で6ヶ月、足の小指で1年かけてすべて生え変わるといわれています。
爪水虫の治療は、白癬菌でぼろぼろになってしまった爪が生え変わる期間が必要なので、6ヶ月から1年以上かかることもあります。