なんか目がかゆい……。鏡をのぞきこむと、赤みのある腫れが。コレってものもらい!?と思った経験のある方は多いと思います。
それほど、一般的な目の病気であるものもらいですが、すぐ治ると放置しておくと「しこり」となってしまうこともあるのです。今回は、ものもらいの基本的な情報をはじめ、長期化によるしこりについてご紹介します。
ものもらいって何?
一般的には、「ものものらい」や「めばちこ」、「めいぼ」などと呼ばれていますが、正式には「霰粒腫」または「麦粒腫」といいます。これは感染源や症状によって呼び方が異なります。
麦粒腫は菌の感染により起こり、かゆみや赤みを伴います。繰り返すものもらいや、すぐ治るような場合は麦粒腫が多いです。一方、霰粒腫はまつ毛の生え際にあるマイボーム腺に脂がたまって発症します。
症状や治療方法は違うの?
症状はどちらも腫れや赤み、かゆみが主なものですが、脂がたまることによって発症する霰粒腫の方は、イボのようなかたまりができることが、特徴的で「めいぼ」とも呼ばれています。
麦粒腫の場合は細菌による感染が原因なので、目薬で殺菌すれば軽い場合であれば数日で治ります。早く治したい、もしくは進行してしまった場合は抗生物質を服用します。さらに症状が重く目薬・内服薬での改善が見られない場合は切開手術を行います。
続いて、霰粒腫の方ですが、こちらの治療法は「放っておく」です。え!何もしないの、とやや衝撃かもしれませんが、たまってしまった脂が自然に溶けて吸収されるのを待ちます。もちろん、さらに悪化しないよう、清潔に保つための目薬を点眼します。
しこりが残ってしまった!
麦粒腫、霰粒腫いずれのケースでも、先にご紹介したような治療方法で治る場合がほとんどですが、まれに、しこりとなって残る場合があります。
それは、霰粒腫の治療過程でできてしまった脂のかたまりが、うまく破裂、吸収されずに残ってしまうと、ポリープ状のイボとなってしまいます。
霰粒腫の場合は殺菌しつつ、自然に破裂、吸収を待つのですが、長い人だと数年かかる人もいて心配になるかもしれません。こうした場合、切開手術により取り除く必要があります。
したがって、自然治癒を待つのが不安な人は、霰粒腫と診断されてから「トリアムシノロン注射(ステロイド)」の治療も考慮しておきましょう。まれに芯が残るともいわれていますが、80%が治癒するといいます。
まとめ
ものもらいなんてしょっちゅうできては治る、という人も少なからずいると思います。放っておけば治ると思わず、自分のものもらいが何なのか、また原因は何か一度つきつめてみると良いかと思います。
そして、しこり化しないよう、どちらのものもらいにもかかならいよう、普段から目を清潔に保ちましょう!