生活習慣病の1つに数えられている心筋梗塞。初期対応が生死を分けることもある非常に危険な病気です。また、発症から6時間以内に処置を受けられれば、グッと生存確率が上がる病気でもあります。では、心筋梗塞の治療法にはどのようなものがあるのでしょうか。
早い対応が大切!
患者を心筋梗塞と診断した場合、病院側としてもスピーディな対応が求められます。
6時間以内にカテーテル処置を行う必要がありますが、そのためには「心カテーテル室」と呼ばれる設備が必要で、すべての病院に備わっているわけではありません。
そのため、応急処置を行なった後で、設備が整っている病院へと転院されることになります。
心筋梗塞の症状で一番恐ろしいのが、心筋が壊死してしまうことで、この範囲によって、その後の後遺症などに影響してきます。
治療法① 血栓溶解療法
心筋梗塞は心臓を巡っている冠動脈がふさがってしまうことで引き起こされるものです。そのため、処置としては手・足の動脈からカテーテルと呼ばれる細い管を通して診断や治療が行なわれます。
その一つに血栓溶解療法というものがあり、投薬によって血管を塞いでいる塊を溶かす治療法です。
効果も非常に高く認められていますが、多くの場合は、一時的な効果であることが多く、再び血管が塞がれてしまうことがあります。
治療法② カテーテル的治療
血栓溶解療法でもカテーテルを使用するので、同じような治療法ではないかと思う人もいるかもしれませんが、カテーテル的治療では、カテーテルが主役になります。
治療過程を説明すると、極細のカテーテルを侵入させていき、血管を塞いでいる場所に風船を作ることで血管を拡張させる治療法です。
この方法では、再び血管が塞がれてしまうリスクが血栓溶解療法に比べると低いものとなるのが特徴です。それでも心筋梗塞の原因が、生活習慣に因るところが大きいため、再発率には個人差があります。
治療法③ 心筋梗塞治療方法
一番新しい方法で確実に成果をあげているのが、ステントを設置して投薬する治療方法です。ステントとは、非常に小さな網目の風船と考えてください。
これを血管内に設置して風船のように膨らませて、血管を支えることで、再び血管が塞がるのを防止します。現在では、そこへ投薬治療も加わり、血栓防止効果を高めています。
最後に
上に挙げた治療法は、全て心筋梗塞発生初期に行なわれる処置方法です。現在では、カテーテル的治療が多く行なわれており術後は絶対安静の上、生活習慣を改善させるための指導を受けます。
心筋梗塞が引き起こされている場合、糖尿病や高血圧症などにかかっていることもあるため、それらの検査も行いつつ、必要に応じて治療が進められていきます。
心臓発作が起きた場合には、初期対応が重要ということがお分かりいただけたかと思います。もし、心当たりがある場合は、重篤な発作を起こす前にしっかりと病院で診察を受けるようにしましょう。