蕁麻疹になると体中が痒くなって、集中なんてできませんよね。仕事や学校がある日なんかに発症しちゃったら、もう大変。そんな時のために、今回は、蕁麻疹に効く市販薬を塗り薬と飲み薬に分けてご紹介していきます。
目次
蕁麻疹が起こるメカニズムと原因
蕁麻疹は、アレルゲンによる刺激により刺激された肥満細胞が、ヒスタミンやプロスタグランジンなどの物質を放出し、血管拡張・血管透過性亢進 (血漿タンパク質が組織中に漏れ出す)を起こさせることにより発症します。
アレルゲンには小麦・卵・そば・エビ・かに・果物・落花生などの食品、抗生物質・解熱鎮痛剤などの薬剤、ハウスダスト、家庭用品に含まれる化学物質や金属などがあります。
また、アレルゲンの接触以外の原因で起こる蕁麻疹もあります。刺激となりうるのは、寒冷・温熱・日光・圧迫などの物理刺激、入浴・運動・精神的緊張による冷や汗などの発汗、感染症、疲労、ストレスなどがあげられます。
加えて、サバなどの生魚が傷むと、ヒスタミンに似た物質が生成され、そうした、食品を食べる事によりできる蕁麻疹もあります。
しかし、蕁麻疹患者の70%以上では、何が原因となったのか分からないままです。治療は対処療法が主となり、根本的な治療はできません。日頃から体質改善や、ストレス改善に取り組みましょう。
また、医師・薬剤師等と協力し、自分のアレルゲンが何なのかを探してみてください。蕁麻疹が出来てしまった場合には、処方薬や市販薬を上手に使い、患部を冷やすなどして様子を見て下さい。
おすすめの塗り薬一覧
蕁麻疹で気になるのって、あの肌のボツボツですよね。まずは、そんな肌の症状を外側から抑える塗り薬から紹介していきます。
オイラックスPZリペア軟膏(第一三共ヘルスケア)
皮膚の炎症部分で優れた効果を発揮する一方で、体内に吸収されると速やかに分解され、活性の低い物質になるアンテドラッグ・プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステルを配合した皮膚疾患治療薬です。
他にグリチルレチン酸やクロタミトン、アラントイン、トコフェロール酢酸エステル、イソプロピルメチルフェノールも配合し、つらいかゆみや早く治したい皮膚症状を改善します。指定第2類医薬品で、1日数回、適量を患部に塗布します。
また、オイラックスPZリペア軟膏については、こちらの記事でも詳しく紹介しています。
メンタームEXアルファクリーム(近江兄弟社)
湿疹、かぶれ、皮膚炎に効果を発揮するクリームタイプの皮膚用薬です。アンテドラッグステロイド剤PVAの高い消炎作用と、生薬由来のグリチルレチン酸によって、湿疹、皮膚炎などの炎症を抑えるのがポイントです。
さらにジフェンヒドラミン塩酸塩とクロタミトンの3種のかゆみ止め成分が、湿疹やかぶれに伴うつらいかゆみを抑えるほか、イソプロピルメチルフェノールが患部の感染を防ぎ、症状の悪化を防ぎ、アラントインが傷ついた肌の修復を助けます。
ちなみにアンテドラッグとは、皮膚表面の患部で効果を発揮し、その後体内に吸収されると低活性になる性質を持つ薬剤の総称です。
また、メンタームEXアルファクリームについては、こちらの記事でも詳しく紹介しています。
セロナQTローション(佐藤製薬)
キレ味の良い抗炎症作用をもつとともに体内に吸収されると副作用の少ない物質に分解されるアンテドラッグステロイド・ヒドロコルチゾン酪酸エステルにかゆみ止め成分のクロルフェニラミンマレイン酸塩を配合した皮膚治療薬です。
皮膚の炎症を抑え、すぐに止めたいつらいかゆみを鎮めます。ローションタイプなので、クリームや軟膏が塗りにくい頭部や毛生部位にも使いやすくなっています。
加えて、赤みのある炎症や、カサカサしたかゆみなどの症状にも適しています。さらに、液ダレしないプッシュ式ノズルを採用しているのもポイントで、あせもや虫さされなど広範囲に症状があるときにもおすすめできます。
また、セロナQTローションについては、こちらの記事でも詳しく紹介しています。
メンソレータムジンマート(ロート製薬)
腫れて、痒い蕁麻疹に効く非ステロイドの治療薬です。腫れて、痒い蕁麻疹に多角的にアプローチするのがポイントです。
ジフェンヒドラミン塩酸塩やリドカイン、クロタミトンの3つのかゆみ止め成分が、広がるかゆみに効くほか、l-メントールや酸化亜鉛、グリチルリチン酸二カリウムといった、冷感、収れん、抗炎症成分が、赤く腫れた皮膚をスーッと鎮めてくれます。
また、メンソレータムジンマートについては、こちらの記事でも詳しく紹介しています。
おすすめの飲み薬一覧
治療には、抗ヒスタミン成分を配合した飲み薬が一般的です。蕁麻疹は、身体の外側ではなく、内側の病気だからです。いくつか抗ヒスタミン成分配合の市販薬をご紹介します。
アレルギール錠(第一三共ヘルスケア)
第2類医薬品/4歳以上。クロルフェニラミンマレイン酸塩という抗ヒスタミン剤が、皮膚のかゆみ、湿疹に効果を発揮します。皮膚の粘膜の健康に必要な、ビタミンB6が含まれています。
また、漢方である甘草の成分も含まれており、これも炎症を抑えます。グルコン酸カルシウム水和物が、蕁麻疹、湿疹の症状をおさえます。眠気が現れる事がありますので、車の運転等はしないでください。
その他のアレルギール錠に関する情報はこちらの記事をご覧ください。
アレグラFX(久光製薬)
要指導医薬品(第1類医薬品) / 15才以上。フェキソフェナジン塩酸塩という抗ヒスタミン剤が、花粉症、蕁麻疹、湿疹、皮膚のかゆみなどに有効です。
ロイコトリエンなどアレルギーに関係する物質の放出も押さえます。薬剤師のいる薬局でのみ購入できます。他の抗ヒスタミン薬に比べて眠くなりにくいのが特徴です。
その他のアレグラFXに関する情報はこちらの記事をご覧ください。
スラジンA(佐藤製薬)
第2類医薬品/15才以上。蕁麻疹、皮膚病に効果のある漢方の茵?蒿湯と抗ヒスタミン剤を配合。蕁麻疹、湿疹、かゆみを押さえます。
その他のスラジンAに関する情報はこちらの記事をご覧ください。
スカイナーAL錠(エーザイ)
第2類医薬品/15才以上。アゼラスチン塩酸塩がヒスタミンやロイコトリエンをおさえてアレルギー症状を和らげます。
その他のスカイナーAL錠に関する情報はこちらの記事をご覧ください。
まとめ
薬の効果には個人差があります。もし添付文書の通りに飲んでも効果が現れない場合には服用を中止し、医師や薬剤師に相談して飲み薬の変更を行って下さい。
副作用が現れた場合には直ぐに服用を中止して医師・薬剤師に相談して下さい。長期連用は避けましょう。また、妊娠中の方やお子さんに投与する場合には、医師・薬剤師に相談しましょう。