体内にある臓器の1つである盲腸の先には、虫垂と呼ばれる小指くらいの臓器が付いています。これが細菌やウイルス感染し、炎症を起こすことを虫垂炎と言い、一般的には盲腸と呼ばれます。今回は、盲腸の手術の費用・時間・方法について解説していきます。
盲腸の治療法
盲腸の治療法には、大きく分けて「投薬によって治療する方法」と「手術によって治療する方法」の2種類が存在します。
投薬の場合、食事を摂らないことで腸の状態を安静に保ちながら、抗生剤によって原因菌を退治していきます。発症後、まだ時間がそれほど経っていない場合は、この方法が取られます。
手術の場合、以下の3つの方法のうちのどれかが選ばれます。
- 腹腔鏡下虫垂切除術
- 単孔式腹腔鏡下虫垂切除術
- 開腹手術
ここでは、1-3番までの手術について見ていきます。
手術費用
- 1,2番の手術では、約15-30万円ほどの費用がかかります。
- 開腹手術の場合は、約2万円ほどで済みますが、別途入院費等がかかります。
- 治療費・入院費等は保険適用内で6-12万円ほどです。
手術時間
- 腹腔鏡下虫垂切除術の場合は、40-80分くらいです。
- 単孔式腹腔鏡下虫垂切除術は、60-90分くらいです。
- 開腹手術は、50-90分くらいです。
*手術時間は、あくまでも目安となります。
手術方法
腹腔鏡下虫垂切除術
腹部に3ヶ所ほど穴を開けて、腹腔内に炭酸ガスを入れます。その後、腹腔鏡を使用して、虫垂を切除します。傷口が小さいため、術後の回復も早く、身体への負担が少なくて済みます。入院期間も3-5日程度です。
単孔式腹腔鏡下虫垂切除術
おへその近くに小さな穴を開けて行われます。炎症が軽い場合に選ばれることが多いです。傷跡がおへそで隠れるため、美容面ではかなりのメリットがあります。
体への負担も軽いので、早い回復が望めます。デメリットとしては、費用が高価な点が挙げられます。入院期間は、2-5日で退院後の通院が必要になります。
開腹手術
重症の場合に選ばれることの多い手術法です。お腹にメスを入れて、虫垂を摘出します。症状にもよりますが、入院期間も含めて、7-10日ほどの日数が必要となります。腹膜炎などの合併症を引き起こすことがあります。
手術中の痛み
手術の際は麻酔が効いているので痛みはありません。ですが、手術後や入院中、退院後に激しい痛みが生じることもあるようです。
痛み止めを服用しても痛みがある場合、合併症の可能性もあります。大事に至らないように我慢せずに、直ちに担当医に知らせるようにしてください。
最後に
盲腸は腹膜炎などの合併症が起きると大変危険な病気です。腹痛が治まらないない時には、しっかりと医師の診断を受けるようにしてください。また、堪えきれないような激しい痛みの場合、救急車を呼ぶようにしてください。