胸の痛みを感じると、心臓の病気なのでは?と不安になってしまいます。胸痛を引き起こす心臓病には、心筋梗塞や狭心症など様々なものがありますが、その治療法もそれぞれに違いがあります。今回は、その中でも狭心症の治療法について考えてみたいと思います。
目次
狭心症の症状
狭心症とは、心筋につながる冠動脈の血管の中が狭くなったことで血液の流れが悪くなり、心筋に必要なだけの血液が供給できなくなって起こる疾患です。
代表的な症状は胸の痛みですが、その他にも締め付けられるような鋭い胸部の痛みや圧迫感、灼熱感などが現れます。
人によっては胃の痛みや不快感、背中や肩のコリなど、心臓とはまったく違った所で症状が起こる場合があります。
狭心症の治療法一覧
狭心症の治療の目的は症状を抑えるとともに、重症化を防ぐことになります。その代表的な治療法は「薬物療法」「カテーテル治療」「外科手術」の3つになりますが近年では、他にもいくつかの治療法が導入されつつあります。
薬物療法
硝酸薬
冠動脈や末梢の血管を拡げて心臓の負担を軽減します。ニトロール、アイトロール、シグマート、貼り薬のTTSなどがこれにあたります。
カルシウム拮抗剤
高血圧の治療に広く使われる薬です。血管を拡張して心臓の負担を軽減し、酸素の消費量を減少させます。アムロジン、ヘルベッサーなどになります。
β遮断薬
血圧を下げ、心臓の動きを抑えて心拍数を低下させます。心筋が必要とされる酸素の量を減らして発作を防ぎます。インデラル、セロケン、ミケランなどがあります。
スタチン薬
血中のコレステロールを低下させるお薬です。メバロチン、リポバス、リピトール、リバロ、クレストールなどがあります。
発作時の時の薬
発作時に使う薬は主に舌の下に含んで溶かす舌下錠になります。口が乾き気味で溶けにくい人には、舌下に噴霧するスプレータイプのものもあります。ニトロペン舌下錠、ミオコールスプレー、ニトロールスプレーがあります。
カテーテル治療
股の付け根や手首の動脈からカテーテルを冠動脈内部に入れ、狭くなった所にバルーンや金属のステントを拡げて血液の流れを正常にする治療法です。
外科手術
「冠動脈バイパス手術」といいます。全身麻酔で胸の内部の動脈や腕などの動脈を取り出して、冠動脈の狭い所をつなぎ、心筋の血管の流れを良くする手術です。
他にも血管内のプラークを削り取る「方向性アテローム切除術」や「高速回転式アテローム切除術」があります。
レーザー治療
重症狭心症に用いる新しい治療法です。胸を開け血液不足の心筋の外側からレーザーを照射します。
タンパク質注射
バイパス手術に加えて行われます。心臓の毛細血管や細動脈の増殖を促して治療します。
食事でも治療可能
狭心症は、食生活を見直すことで改善されることもあります。詳しく見ていきましょう。
脂肪の摂りすぎに注意する
狭心症を治療する場合、脂肪の摂り過ぎに注意です。胸に痛みなどがあるのは、心臓へと上手く酸素が運ばれていないことが原因で、そのような症状を引き起こしていることがあります。
その多くは血管内に脂肪が溜まりすぎて、硬くなっていたり狭くなっていたりすることがあります。それを改善させるために、脂肪の摂り過ぎに注意が必要になります。
炭水化物の摂取量を見直す
肥満気味になっている人も狭心症になりやすいと言われています。そのため、炭水化物の摂取量も見直す必要があります。
炭水化物は三大栄養素の一つですが、過剰に摂取すると体脂肪へと変化することは多くの人が知っての通りです。
そのため、炭水化物の摂取量を減らすことで、脂肪の増加を抑えるようにします。また炭水化物は分解されると糖質に変化し、インシュリンの分泌を促進させます。
このバランスが崩れていると、血管内に糖質が大量に残存することになり、糖尿病へと繋がっていきます。炭水化物ダイエットの食事メニューが糖尿病予防、ひいては狭心症予防のための食事となるでしょう。
血液をサラサラにする栄養分を取る
血液をサラサラにする栄養を摂ることも大事です。ドロドロした血液では、全身に酸素を運びにくくなるため、狭心症を引き起こす原因になります。
血液をサラサラにする成分としては、DHA、DPA、ナットウキナーゼ、食物繊維、ポリフェノールやクエン酸、酢酸が知られています。
DHAやDPAは青魚に豊富に含まれていますし、ナットウキナーゼは納豆に、クエン酸や酢酸は柑橘系の果物に多く含まれています。食物繊維は、葉物野菜などに多く含まれています。
理想的な食事は和食
狭心症を治療、予防するための理想的な食事は和食です。洋食に比べると、体の負担になる脂質が少なく、漬物や味噌といった発酵食品は免疫力向上にも役立ちますし、魚類などでDHA、DPAの補給が可能です。
また、食物繊維が豊富に含まれているものも多くありますし、白米ではなく五穀米や玄米などに変えるだけで炭水化物の摂取量を減らすことも可能です。
最後に
患者さんの年齢や合併症の有無、病気の重症度などによって狭心症の治療法は異なってきます。主治医の先生に良く相談して、自分に適した治療法を受けるようにしてください。
