
アデノウイルスをご存知でしょうか。現在でも特効薬が存在せず、毎年のように感染者を出しているウイルスです。このように書くと不安に思うかもしれませんが、風邪の原因ウイルスの一つで、常に変化しているウイルスです。
アデノウイルスには多くの種類があり、感染したタイプによって、引き起こされる症状が変わってきます。それは、感染者が大人であっても、子供であっても変わりません。
記事の前半部分では、アデノウイルスの症状を型別にまとめ、後半部分では、大人のアデノウイルス感染に関する情報をまとめていきます。
目次
型別症状一覧
アデノウイルスは夏にはプール熱の原因ウイルス、冬には風邪の原因ウイルスとして知られています。感染者の多くは免疫力が低い子供ですが、感染力が非常に強く、大人でも感染することがあります。
そのときの症状は、子供と大人でも変わりはなく、どのタイプのアデノウイルスに感染したのかによって症状が異なります。代表的なものを見ていきましょう。
3型・7型の場合
3型や7型と呼ばれるアデノウイルスの場合、呼吸器感染症の原因になります。とくに7型は乳幼児に感染し発症することが多く、重篤な症状を引き起こすこともあります。
心筋炎、脳炎、髄膜炎を併発させることも珍しくありません。長引く高熱、咳、呼吸障害、喉の痛みなどが主な症状として知られています。また、俗に言われる「プール熱」の原因ウイルスの型でもあります。
ちなみに、プール熱は「咽頭結膜熱」というのが正式な病名で、プールを介してウイルスが感染することが多いので、このような呼び方がされるようになりました。
8・19・37型の場合
8型、19型、37型に感染すると、流行性結膜炎の症状が表れます。
11型の場合
11型に感染すると、膀胱炎を引き起こします。肉眼でわかるほどの血尿が特徴で、排尿するときに痛みを伴うことがほとんどです。数日ほどで快方へ向かいます。
31・40・41型の場合
31型、40型、41型に感染すると胃腸炎を引き起こします。乳幼児が感染することが多くあり、腹痛・嘔吐・下痢が症状として見られます。熱は比較的軽く、重症化することはあまり見られません。
53・54・56型の場合
新型の53型、54型、56型も流行性結膜炎を引き起こす原因ウイルスとなっています。目の充血や目やにが特徴で、プール熱のように高熱や喉の痛みを伴うことはありません。
大人が感染しやすい型
大人がかかりやすいのは、アデノウイルスの中でも、「咽頭結膜熱(3・7型)」、「流行性角結膜炎(8・19・37型)」、及び、「胃腸炎(31・40・41型)」を発病させる型です。
これらは、咳やくしゃみを介した飛沫感染ですし、また、洗面所の同じコップやタオルが接触感染の感染ルートになるので、お子さんが上記の型のアデノウイルスに感染した際には注意が必要です。
また、大人と子供の唯一の違いとしては、「子供よりも大人の方が症状が重症化しやすい」ということが挙げられます。
治療法・対処法
アデノウイルスには、特効薬やワクチンは存在していません。そのため、自己免疫力が重要となります。アデノウイルスは、アルコール消毒では殺菌しきれないため、次亜塩素酸ナトリウムなどで消毒する必要があります。
アデノウイルスに感染し発症した場合には、症状に併せて薬が処方されます。多くの場合、10日ほどで症状が緩和されていきます。
子供の場合、症状が完全に治まってから2日程度で登校・登園することができます。これは「学校保健法」によって定められおり、医師の診断証明書が必要なことがありますので注意してください。
また、大人の場合、感染しても普通に仕事ができてしまう方もいます。ですが、アデノウイルスは非常に感染力の強いウイルスです。感染拡大を防ぐためにも、マスクや眼帯を着けるなど適切な対処をするようにしてください。
最後に
今回は、アデノウイルスの症状について見てきました。結論としては、「大人と子供で症状に差はなく、感染した型による。ただし、大人が感染しやすい型がある。」といった感じでしょうか。
いずれにせよ、非常に感染力の強いウイルスですので、お子さんが感染した場合でも、自分が感染した場合でも、誰かに感染させないように注意してくださいね。