インフルエンザやノロウイルスにロタウイルス。冬から春にかけて、感染に注意しなければならないウイルスはかなり多く存在しています。中でもロタウイルスは、5歳以下の子供には非常に注意が必要なウイルスです。
感染力が強く抗ウイルス薬が存在しないため、対処療法しか治療方法がないからです。ここではロタウイルスの潜伏期間やその間にうつる可能性について解説します。
潜伏期間は?
ロタウイルスは、ノロウイルスほどではありませんが、非常に感染力が強いウイルスです。潜伏期間も24時間から72時間、1日から3日ほどで症状が表れます。
潜伏期間中に微熱を出すことはありますが、大抵の場合は、突然吐いたり元気に動いていたのがぐったりした様子を見せることが多くあります。
ロタウイルスのほとんどは、便に存在しています。そのため感染が分かった場合は、処置をするときにゴム手袋などの着用は必須となります。
素手で処理をしてしまうと、手洗いをしても手にウイルスが残っているので、その後、料理を通じて感染が拡大していくことが往々にしてあります。
感染力は?
ロタウイルスの感染力は非常に強いものです。乳幼児がロタウイルスに感染している場合、吐瀉物や便の処理を素手で行なうと、間違いなく大人でも感染します。
通常の手洗いやうがいだけでは感染を予防することは難しいので、吐瀉物や便を処理するときは、ゴム手袋やマスクを着用して処理を行ない使い終わったら密閉できるような袋などに入れて破棄する必要があります。
その上で、消毒などを行なう必要があります。アルコール消毒では効果がないため、次亜塩素酸ナトリウム液による消毒が必要です。
空気中にも分散されるので、ロタウイルスに感染した子供が集団の中で吐いてしまった場合、その周囲が何の対策もしていないと容易に感染します。
どんなに衛生環境を整えていても感染してしまうので、非常に厄介なウイルスの一つとされています。
潜伏期間中にうつる可能性
潜伏期間中でもうつる可能性は非常に高いウイルスです。しかしながら、潜伏期間中に感染を予防する方法はありません。
ウイルスによる感染症は、症状が表れてから感染が判明するので、潜伏期間中にうつされたとしても自覚できないことが多くあります。
感染のリスクを下げる方法としては、次亜塩素酸ナトリウムで消毒を行なうことです。アルコール消毒ではロタウイルスは撃退することができません。そのため別の成分による消毒が必要になります。それが次亜塩素酸ナトリウムです。
この成分は、キッチンの漂白剤などにも使用されている成分で非常に殺菌効果が高いものです。次亜塩素酸ナトリウムで消毒液を作成するときは、濃度に注意しましょう。
使用可能とされている濃度であっても頻繁に使いすぎると肌荒れを起こすリスクがあります。
大人でも感染に注意を
大人でもロタウイルスによる感染症には注意が必要な場合があります。それは免疫力が低下しているときです。
免疫力の低下は、疲労や睡眠不足、ストレスなど様々な要因があります。高齢になってきても免疫力が低下します。
乳幼児についでロタウイルスによる感染者が多いのは50代から60代以上と言われていることからも、免疫力低下には充分に注意しておきたいところです。
場合によっては一家全員がロタウイルスによる感染症になってしまったということもあります。
ロタウイルスは晩冬から初春にかけて流行する傾向がありますので、その時期には感染に注意していきましょう。
まとめ
今回は、ロタウイルスの潜伏期間とその間にうつる可能性について解説してきました。非常に感染力が強いウイルスですので、二次感染には十分に注意するようにしてください。