秋から冬にかけて気を付けておきたい病気にマイコプラズマ肺炎があります。マイコプラズマ肺炎では、熱が下がっても咳が長引くことがあるため、自己判断での治療は絶対におすすめできません。今回は、マイコプラズマ肺炎の治療法について解説します。
ウイルスと細菌の中間生物
マイコプラズマ肺炎の原因菌であるマイコプラズマは、細胞壁を持っていない細菌として知られており、ウイルスと細菌の中間生物のようなものとして考えられています。
その特徴から、ペニシリン系の抗生物質では効果が低いことが特徴で、マイコプラズマに対応した抗生物質によって治療が進められていきます。
マイコプラズマ肺炎に効く抗生物質は大まかに分けて、2種類あります。それぞれ詳しく見ていくことにしましょう。
マクロライド系抗生物質
マイコプラズマに効き目がある抗生物質には、マクロライド系抗生物質が挙げられます。マクロライド系抗生物質を服用すると、2日から3日で熱が下がっていきます。
しかし、マイコプラズマが完全に退治されたわけではありませんので医師に指示された期間の間、服用することを厳守しましょう。
マクロライド系抗生物質は、味が良くないので、乳幼児がマイコプラズマ肺炎になった場合は、アイスやヨーグルトなど甘味のあるものに混ぜて服用させるよう指導されることもあります。
テトラサイクリン系抗生物質
マクロライド系抗生物質で、マイコプラズマに効き目が無い場合、テトラサイクリン系抗生物質が処方されることがあります。
なぜ効き目が無いケースが出てくるかといえば、マイコプラズマは薬剤耐性を獲得している細菌だからです。
原因については、マクロライド系抗生物質の使い過ぎと言われていますが、明確なことは分かっていません。そのためマクロライド系抗生物質の効果が出ないときは、テトラサイクリン系抗生物質が処方されます。
マクロライド系の抗生物質と同じように2日から3日で解熱されますが、医師の指示通りの期間服用することが必要です。
この抗生物質に関しては8歳以下の子供には処方されることはありません。その年齢以下の子供の場合、副作用のリスクが高くなるからです。
最後に
マイコプラズマ肺炎になっても、長くても3週間ほどで肺炎が治まることがあります。
しかし、マイコプラズマはしつこい細菌ですので医師に指示されている間は抗生物質の服用を続けないと、再発する可能性が非常に高いものとなっています。
また、マイコプラズマは比較的毒性が弱いせいか、一度感染しても免疫細胞が長く体内に留まることがありません。そのため何度でもマイコプラズマに感染することがあります。
しかし、必ずしも発症するわけでもないので、油断してしまいがちな病気でもあります。秋から冬にかけて流行しやすいので、その時期には人混みを避けて、手洗い・うがいを心がけるようにしましょう。