
マイコプラズマ肺炎はかつて、4年に1度の周期で流行すると言われていましたが現在は通年に見られる感染症です。病気にかかる可能性のある年代も幅広く飛沫感染や接触感染で広がる病気ですので注意が必要です。今回は、マイコプラズマ肺炎の潜伏期間や検査、治療などの基本的なところを見ていきたいと思います。
普通の肺炎との違いは?
マイコプラズマ肺炎が他の肺炎と違うのは異型肺炎の代表的な病気であるということです。また、症状の特徴としては、聴診器で音を聞いたときに肺炎独特の「ゼロゼロという痰が絡むような音」が聞こえないという点です。
潜伏期間
原因菌に感染してから発症するまでの期間を「潜伏期間」といいますが、マイコプラズマ肺炎の潜伏期間は、おおよそ2~3週間と比較的長いのが特徴です。
この潜伏期間中も他者への感染は否定できませんので、周りでマイコプラズマ肺炎が流行していたり、乾いた咳が続くような症状がある時は感染を疑って受診するのが良いでしょう。
診断のための検査
マイコプラズマ肺炎の症状は風邪症状とよく似ていて肺炎特有の痰が絡んだような呼吸音が聴診しても聞こえないため聴診器での診断は難しさがあります。
まず、肺炎かどうかを確かめるために胸部X線撮影をします。肺炎であればこれで診断がつくのですがマイコプラズマ肺炎であるかどうかということころまでは診断はできません。
多くの病院では「マイコプラズマ迅速抗体検査」でマイコプラズマ菌の有無を調べる検査を行います。
もうひとつの診断方法は、「LAMP法によるDNA検査」です。咽頭ぬぐい液や喀痰検体からマイコプラズマ菌の特徴的なDNAを検出する検査方法です。
LAMP法は精度が高いのですが結果がわかるまでに2~3日を要し、迅速抗体検査は精度は劣りますが10分程で結果が判明します。
いずれも一長一短がある検査方法である事や、マイコプラズマ肺炎自体が早期診断が難しい病気のため患者からの問診や年齢、レントゲン写真の所見により総合的に診断されます。
治療法
抵抗力がある場合は自然治癒する場合もあるマイコプラズマ肺炎ですが、長く続く咳や熱は体力を奪い辛いものです。早期に治療を始めるとその辛さも軽減されますので症状を見極めて病院へ行くようにしましょう。
病院での治療の基本は抗生物質の投薬治療です。マイコプラズマ菌は一般的な細菌と違い細胞壁を持っていません。そのため細胞壁の合成を阻害する働きがある抗生物質による治療になります。
代表的な抗菌薬は、
- マクロライド系:エリスロマイシン・クラリスマイシン・アジスロマイシンなど
- ニューキノロン系:シブロフロキサシン・レポフロキサシン
- テトラサイクリン系:ミノマイシン
などがあり、症状や年齢などによって使い分けられています。
まとめ
マイコプラズマ肺炎の治療には抗生物質が用いられますが、特有の性質を持った菌であるため有効とされる薬の種類があります。そのためにもマイコプラズマ肺炎であるという診断が必要となるため病院での検査が必要です。
近年の問題として以前は有効とされていた抗生物質にたいして菌が耐性を持つようになり薬剤が効きづらいという傾向が増えているという事です。薬の服用に関しては医師の指示の元に正しく服用する事が重要です。