目は私たちにとって非常に大切な身体の器官です。目の病気はたくさんありますが、その中でも一般的によく知られているのが結膜炎です。
結膜炎はありふれた病気だから、病院へ行かなくても治るだろうと思っているあなた、果たして本当に自然治癒するのでしょうか?今回は、結膜炎は自然治癒するのか?というテーマで書いてみました。
目次
結膜の役割
結膜は眼球とまぶたの間にある薄い膜のことをいいます。眼球が自由に動かせるのは結膜があるためです。結膜は目の表面で角膜以外の白目から目の裏側まで覆っています。
眼球がスムーズに動かせるように結膜と眼球の間はぴったりとくっついていません。そのため、眼球は上下左右に自由に動かすことが出来るのです。
結膜炎はなぜ起こる?
結膜は、目を開いている間はずっと外気にさらされています。そのため外からの刺激やウイルスなどの侵入が簡単になってしまいます。さらに結膜は涙の成分であるムチンという粘液を作っています。
ムチンのおかげで目を乾燥から守っているのですが、水分や栄養が揃っているため細菌やウイルスが繁殖しやすい環境を作ってしまいます。結膜炎が多いのは、このようなことが原因だと考えられています。
結膜炎の種類と症状、治癒について
ウイルス性結膜炎
ウイルスは細菌より小さな微生物です。ウイルスの種類によって結膜炎の病名が違います。ウイルスが原因の結膜炎は人に感染することがあるため注意が必要です。
流行性角結膜炎
主にアデノウイルス8型などのウイルスに感染して発症します。はやり目と呼ばれるものがこれにあたります。目ヤニや充血、腫れや痛みという症状が現れます。
普通は発病してから2〜3週間で症状が軽くなってきます。感染力が非常に強いので家族や周りの人は、タオルを別にして手洗いを徹底することが大切です。
また、アデノウイルスについては下記のページでも詳しく解説しています。
咽頭結膜熱
アデノウイルス3型などの感染で起こります。プール熱とも呼ばれ、夏場に感染することが多くなります。のどの痛みや発赤、発熱、目の充血などの症状が現れます。だいたい10日ほどで回復してきます。
急性出血性結膜炎
潜伏期間が24時間と短く、感染力も強い結膜炎です。目の異物感を感じることが多く、白目が真っ赤になる結膜下出血が特徴になります。1週間ほどで良くなってきます。
細菌性結膜炎
細菌に感染することで発症する結膜炎です。黄色ブドウ球菌や肺炎球菌などが原因で起こります。結膜の充血や目ヤニなどの症状が現れます。
時間の経過とともに自然治癒することもありますが、抗菌剤の目薬を使うことで、早い回復が望めます。
アレルギー性結膜炎
花粉症の原因であるスギやヒノキの花粉などの他にも、イネ科の花粉やハウスダスト、ダニ、動物の毛などアレルギーの原因となる物質はたくさんあります。
これらに反応するとアレルギー性鼻炎やアレルギー性結膜炎を発症すします。アレルギー性結膜炎の代表的な症状は目のかゆみになります。
その他にも目の充血や腫れ、涙目なども起こります。花粉症は花粉の飛散する時期が終わることで自然治癒してきますが、症状がつらいときは我慢せずに、アレルギーを抑える点眼薬や飲み薬を使用すると良いでしょう。
まとめ
結膜炎は時間をかけることで自然治癒する場合もあります。しかし重症化したり人にうつる可能性もあるため、結膜炎の症状が現れたらなるべく早めに眼科で診察してもらいましょう。