腹痛は誰にでも起こりうる症状ですが、原因のわからない痛みや違和感というのは不快な思いになりますよね。お腹といっても左右どちらに痛みを感じるかによって、考えられる原因も異なります。そこで、今回は、左脇腹の違和感の原因と対処法をご紹介したいと思います。
原因は?
左脇腹といっても、体の中にはたくさんの重要な臓器が入っています。左脇腹にある主なものは、大腸、膵臓、脾臓、胃、心臓です。以下に考えられる原因を挙げてみます。
胃潰瘍
胃潰瘍はピロリ菌が原因となって、胃の中に炎症ができてしまう病気です。ピロリ菌が活発に動くことで、胃を守る役割をしている胃液の分泌が機能しなくなり、炎症が起こってしまいます。症状としては、左みぞおちあたりに痛みがあり、とくに食事中や食後に痛むといわれています。
十二指腸潰瘍
こちらも胃潰瘍同様ピロリ菌の感染によって生じますが、痛みを感じるのが空腹時や就寝中であることが特徴です。
急性膵炎
食べ物を消化するための酵素を分泌する膵臓という臓器にある膵液が、なんらかの原因によって自らの臓器を溶かしてしまうことで、左みぞおちのあたりや背中に痛みを感じるといいます。原因としては、アルコールの過剰摂取や、胆石、先天的な膵臓の形によるものが指摘されています。
膵臓がん
膵臓にできるがんですが、発見された時にはほぼ手遅れの状態が多いなど、症状が軽くとても気が付きにくいガンです。初期症状としては軽い腹痛や背中の痛みや無症状のため、自覚しておらず、見過ごしてしまうことが多いといいます。
逆流性食道炎
胃から腸へと食物が流れるべきところを逆流してしまい、食道に流れてしまうことで、胃液が食道の付近に炎症を起こし、胸が焼けるような痛みを感じることがあります。
対処法は?
左の脇腹に起こる痛みには、さまざまなものが考えられることがわかりました。では、対処するにはどうすべきなのでしょうか?
まず、食べ過ぎや飲みすぎ、食あたりなど明らかな原因が思い当る場合は、ロキソニンやストッパなどの鎮痛剤や下痢止めを服用して症状を抑えましょう。
しかし、食中毒やウイルスが原因の場合、ウイルスを出し切ることが大切ですので、むやみに下痢止めを服用すると、一時的には回復しても長引くこともありますので、注意が必要です。
そのほか、胃潰瘍や十二指腸潰瘍かの特定には胃カメラによる検査が必要です。また、逆流性食道炎も胃カメラの検査によって判明しますので、症状からこれらのいずれかが思い当ったら、内科または消化器科を受診しましょう。
そして、膵臓がんは沈黙の期間が長く、耐えられない症状になっている時にはもう手遅れという恐ろしい病気です。あまり症状がないのですが、50代以降の方に多く、腹痛のほか、血糖値の上昇、体重の減少などの症状が見られたらすぐに内科の受診を行いましょう。
まとめ
辛い左脇腹の痛みや違和感。内臓の疾患がからむ原因もいくつか考えられます。原因がはっきりとしない、症状が長引く、体重減少や胸やけなど他の症状もあわせてみられるときは、早めに医師の診察を受けることをおすすめします。