生薬由来の漢方薬は穏やかな効き目で小さな子供から高齢者など幅広い年齢層に用いられます。「抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)」は、精神面に作用して子供のひきつけや夜泣き、成人ではイライラや不眠といった症状に用いられます。
さらに高齢者においては認知症の諸症状に用いられる漢方薬です。今回は、このような精神症状に用いる抑肝散加陳皮半夏の効果や副作用について解説します。
効果
抑肝散加陳皮半夏は、9つの有効成分を配合した神経系を穏やかに保つ作用のある漢方薬で、主に軽症のうつ病に伴うイライラや不安障害、ストレス性障害、認知症による興奮、怒り、徘徊、更年期障害(イライラや神経の高ぶり)、不眠症や子供のひきつけ、夜泣きなどに効果を発揮します。
生薬の柴胡(サイコ)は熱を取り除く解熱・消炎作用があるほか、抗ストレス作用で気分を穏やかに保つ働きがあります。釣藤鈎(チョウトウコウ)は脳の血流を促し、手足の震えやけいれんなどにも効果があります。
蒼朮(ソウジュツ)や茯苓(ブクリョウ)は水分代謝を活発にして利尿・発汗作用があるほか胃腸を健康に保つ働きがあります。当帰(トウキ)や川芎(センキュウ)には鎮痛・鎮静作用があり、血液の循環を活発にして月経痛や冷え性、貧血症などに働きかけます。
陳皮(チンピ)は気持ちを落ち着かせたり、食欲不振や消化不良を改善して健康な胃腸に導いてくれます。半夏(ハンゲ)は体を温める効果や気持ちを静める作用で不眠やイライラなどに効果があります。甘草(カンゾウ)には緊張を和らげる作用があり、痛みや胃の症状を緩和する作用があります。
抑肝散加陳皮半夏は、精神神経症状に作用して胃腸を健康に保ちながら気分を落ち着ける作用があります。漢方薬を内服する際は生薬の効果を十分に得るためにも食前や食間(食後2時間〜3時間後)に1日・2回〜3回に分けて内服するようにします。ゆっくりとした効目で効果が徐々に現れてくるでしょう。
副作用
漢方薬は生薬由来なので副作用は少ないですが体質によっては体調不良や副作用が起こることがあります。
主な副作用として見られるのは、胃部不快感や食欲不振、吐き気、下痢などの消化器系症状です。重篤な副作用が起こることは稀ですが、甘草の重複により偽アルドステロン症を発症することが稀にあります。
内服中に血圧上昇や浮腫み、体重増加、手足のしびれ、痛み、筋肉のけいれん、力が入らないなどといった症状がある場合は内服を中止して医師の診察を受けるようにして下さい。
他に漢方薬を内服している場合は、副作用を起こさない為にも医師や薬剤師に相談してから内服しましょう。また、薬剤でアレルギー症状を起こしたことがある方は相談してから内服すると安心です。
漢方薬は穏やかな効き目で徐々に効果が現れますが、長期間内服しても症状が改善しない場合は、医師や薬剤師に相談するようにして下さい。
まとめ
抑肝散加陳皮半夏は精神面に働きかける漢方薬です。イライラしたり、ストレス性障害、子供のひきつけや夜泣きなどに効果があります。
生薬の穏やかな成分が体に作用して徐々に効果が実感できるでしょう。症状が改善しな時は長期間内服せず、医師の診察を受けたり、薬剤師に相談するなど適切な対応をするようにして下さい。