
漢方薬は生薬(自然の草木から抽出した成分)の組み合わせでできています。その人の体質や症状にあわせて組み合わせる生薬を選ぶので、症状が同じでも人によって生薬の組み合わせは違ってきます。
本来は生薬を煎じたものを服用しますが、煎じるには手間と時間がかかるので、煎じ薬を濃縮乾燥させたエキス剤が広く使われています。
今回は、そんな数ある漢方薬の中から芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)について解説していきます。
効果
芍薬甘草湯は漢方の原典である「傷寒論」に記載されている処方です。筋肉の緊張をゆるめて痛みをやわらげるお薬です。特に「急激におこる差し込むような痛み(疝痛)」に効果があります。
筋肉の痙攣を伴う痛みやこむらがえり(下肢の痙攣性疼痛)、胃痛、尿路結石による疼痛、神経痛、腰痛などいろいろな痛みに効果があります。
名前からもわかるように「芍薬(しゃくやく)」と「甘草(かんぞう)」の2種類の生薬からできています。
芍薬には、ペオニフロリンやアルビフロリン、ベンゾイルペオニフロリン、タンニンなどの成分が含まれており、筋肉の痙攣を緩和し、血管の働きを順調にします。
甘草にはグリチルリチン酸、リコリコンなどが含まれており、筋肉の緊張をゆるめる働きがあります。
エキス剤はいくつかの製薬会社から販売されていますので、使用方法はそれぞれの添付文書を参照してください。基本的には1日2~3回、空腹時に水または白湯で服用します。
副作用
芍薬甘草湯は、ほとんど副作用のないお薬です。重い副作用はまずありませんが、甘草を大量に服用するとむくみや血圧上昇、低カリウム血症を起こすことがあります。他の薬剤と併用するときには注意してください。
長期間服用を続けると副作用があらわれる可能性が高くなりますので、5~6回服用しても症状が改善しない場合には、使用を中止して医師や薬剤師に相談してください。
ごくまれですが、間質性肺炎(息切れ、咳、呼吸困難、発熱)や肝障害(倦怠感、黄疸、かゆみ)、偽アルドステロン症(血圧上昇、むくみ、低カリウム血症)、うっ血性心不全(倦怠感、動悸、胸部の不快感、失神)といった症状が出ることがあります。これらの症状が見られた場合は、直ちに服用を中止して医師の診察を受けてください。
まとめ
芍薬甘草湯は体力に関わらず使用でき、様々な痛みをやわらげるお薬です。とくに筋肉の緊張や痙攣からおこる急激な痛みに効果があります。
芍薬も甘草も漢方薬の処方によく用いられる生薬です。甘草はその名前のとおり甘い味がするので、煎じ薬の場合は飲みやすくなります。エキス剤ではあまり甘みは感じません。