排尿時の痛み・頻尿・下腹部痛、血尿、これらの症状は膀胱炎の一般症状です。痛みがひどい場合や発熱、出血がある場合には早期に病院を診てもらう必要がありますが、症状が軽く、仕事が忙しくて病院に行く時間が取れない方は、市販漢方薬を試してみるのもよいでしょう。
しかし、多数のお薬があるなかで、どれを選んだらよいか、お困りの方もいらっしゃると思います。膀胱炎の諸症状に併せて、性器に痛みやかゆみを感じる場合には、「竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)」というお薬を使ってみるのもよいかもしれません。
効果
竜胆瀉肝湯は、膀胱炎、膣炎、子宮内膜症など主に尿路疾患に用い、排尿痛、頻尿、残尿感、尿のにごり、陰部のかゆみなどに効果があります。
また、自律神経の過亢進を抑制する作用があることから、これを原因とする不眠、いらいら、怒りっぽさ、目の充血、はげしい頭痛などにも効果があります。
竜胆瀉肝湯を服用することで、尿量を増やして、悪いものを洗い流す、また痛みや尿のにごりが現れた場合には、尿量を増やし、熱をとる、という作用を促します。
(記事冒頭の画像の)クラシエ薬品の竜胆瀉肝湯は、4錠ずつに分包されています。吸湿を防ぐために一包を分割する場合は、袋の口を折り返して保管してください。
本剤は「天然物のエキス(生薬)」を使って作られているので、錠剤の色が多少異なっている場合があります。食前もしくは食間(食事後2-3時間後)に服用します。
小太郎漢方からは液体パック(煎じ後)、ティーバッグタイプ(煎じ前)、マツウラの漢方薬(細粒タイプ)、三和製薬(細粒タイプ)でも製造販売されていますが、漢方独特の苦味が苦手な方は錠剤がおすすめです。
副作用
副作用としては、胃腸障害、胃の不快感、吐き気、食欲不振などがあげられます。1ヶ月以上服用しても症状がよくならない場合は病院に受診した方がよいでしょう。
生薬全般にいえることですが、まれに配合生薬である甘草による血圧上昇、むくみ、体重増加がみられることがあります。
発疹、蕁麻疹、ミオパシー(低カリウム血症のため、初発症状として脱力感、手足の痙攣や麻痺などがみられる)などをおこすこともあります。このような症状が現れたときには直ちに病院に受診をしてください。
また、すでに何か別のお薬を飲んでいる場合は注意が必要です。竜胆瀉肝湯に含まれるを含んだ漢方薬との飲み合わせは、相乗効果により強く作用が現れる可能性があります。
例えば、花粉症の時期に膀胱炎になることもあるかと思います。花粉症対応漢方薬として、小青竜湯がありますが、小青竜湯と竜胆瀉肝湯のどちらにも甘草が含まれます。服用前に、必ず薬剤師さんに相談しましょう。
まとめ
服用し始めて1ヶ月くらい経っても症状が改善しない場合、または悪化した場合、何か別の病気が潜んでいる可能性もありますので、必ず病院での検査を受けましょう。