アレルギー性鼻炎は比較的身近な病気となっているため、危機感もそれほどなく過ごしている人も中にはいるかもしれません。
生命に関わるような重篤な症状がでることは非常に稀なことですから、無理もありませんが、何もしないと症状は重くなる一方であることは間違いありません。
その対策の一つとして点鼻薬を使用する方法があります。今回は、ナザールARについて説明していきます。
効果について
ナザールARは、佐藤製薬から販売されている季節性アレルギー専用の点鼻薬で、日本国内で初めて販売されたステロイド系単体成分の薬です。
有効成分はベクロメタゾンプロピオン酸エステルで、医療用の点鼻薬であるベコナーゼと同じ成分が使用されています。
販売当初は第一類医薬品で、薬剤師の対面販売が義務付けられていましたが、現在では第二類医薬品となっており、比較的簡単に購入できるようになっています。
ステロイド系成分は、強い抗炎症作用と抗ヒスタミン作用があり、とくに季節性アレルギーでは抗ヒスタミン作用が重要になります。
抗ヒスタミン作用とは、主にアレルギー反応を抑える働きのことで、この成分が含まれていることでアレルギーの諸症状が緩和されます。ナザールARは点鼻薬ですから、鼻水やくしゃみ、鼻づまりに効果を発揮してくれます。
使用するときは、左右の鼻腔に1回の噴霧を朝と夕方に行ないます。それ以上の使用は禁止されているので注意しましょう。また、使用年齢も18歳以上と定められているので、高校生以下の年齢では使用することはできません。
副作用について
副作用は、成分的に鼻のかゆみ、乾燥感、刺激感、鼻血などがあり、重いものとして眼圧の上昇、頭痛やめまい、緑内障が報告されています。
しかし、厚生労働省の調査では販売されてから今までナザールARを使用して重篤な副作用を起こしたケースは見つかっていません。
ナザールARを使用するときの禁止事項
ナザールARの添付文書にも記載されていますが、1年に3ヶ月以上の連続使用は禁止されています。
ステロイド系の成分を長期にわたって使用していると、副作用のリスクが跳ね上がります。そのため、基本的にステロイド系の薬は処方薬となっており、使用期間も短期間であることがほとんどです。
また、他にステロイド点鼻薬を処方されており、それを使っているときはナザールARの使用はできません。同じように副作用のリスクが高くなってしまうからです。
ステロイド系の副作用の中で最も危険性が高いのはアナフィラキシーショックです。これは生命に関わってくる過剰反応ですので、軽く見ないように注意してください。
最後に
ナザールARが第二類医薬品として販売されるようになったのは、重篤な副作用を起こしたことがないという実績に基づいています。
これは企業側の努力だけではなく、私たち消費者がきちんと用法、用量を守って適切に使用しているためとも言うことができます。
市販薬だからと軽く考えずに、これからもしっかりと用法、用量を守って適切な服用を心がけていくようにしましょう。