数年前からインフルエンザの特効薬として噂のイナビル。数あるインフルエンザの治療薬の中でも、副作用が少ない薬として注目されています。今回は、そんなイナビルの副作用を一覧にして紹介していきます。
イナビルとは
正式名称を「ラニナミビル」といい、日本の第一三共により開発・販売されています。リレンザと同様に粉末状になっており、専用の吸入器を使って体内に取り入れます。
吸入型の利点としては、吸い込んだ薬が気道で一定時間保持されるので、1回の吸入で効果を発揮します。タミフルやリレンザのように何度も服用する必要がないので、忘れっぽい人にはおすすめの治療薬です。
イナビルは、A型・B型のインフルエンザをはじめ、近年騒がれていた新型のインフルエンザや高病原性鳥インフルエンザなどにも効果があると言われいます。ただし、C型インフルエンザには効果がないので注意が必要です。
また、インフルエンザに感染・発症してから48時間以内に服用することが望ましいです。
薬のメカニズムとしては、インフルエンザウイルスを増殖させるノイラミニダーゼという酵素のはたらきを抑えることで症状を改善させます。
インフルエンザの治療薬
インフルエンザの治療薬は数種類ありますが、どうやって選ばれているのでしょうか?
参考までに年齢ごとにどの治療薬が処方されるかをまとめてみました。
タミフル | リレンザ | イナビル | |
---|---|---|---|
0-1歳未満 | × | × | × |
1-5歳未満 | ◎ | × | △ |
5-10歳未満 | ◎ | ◯ | △ |
10-20歳未満 | △ | ◎ | ◯ |
20歳以上 | ◎ | ◎ | ◯ |
◎:推奨 ◯:使用可 △:非推奨 ×:使用不可
表からも分かるようにイナビルは、主に10代以上の人に処方されます。また1-10歳未満の子供であっても処方されることがあります。
副作用一覧
イナビルの特徴として、副作用が少ないというところが挙げられます。ただし、全くないというわけではありません。詳しく見ていきましょう。
よくある副作用には下記のようなものがあります。
- 下痢
- 悪心 (吐き気)
- ALT値・GTP値の上昇(肝臓の障害)
- 胃腸炎
また、重篤な症状には下記のようなものがあります。
- アナフィラキシー様症状
- 気管支攣縮
- 呼吸困難
- 皮膚粘膜眼症候群
- 中毒性表皮壊死症
- 多形紅斑
他にも、下記のような症状があらわれることがあります。
- 蕁麻疹
- 発疹
- 紅斑
- そう痣
- 嘔吐
- 腹痛
- 腹部膨満
- 食欲不振
- 腹部に不快感
- 口内炎
- めまい
- 白血球数の増加
- 尿蛋白
まとめ
インフルエンザ治療薬の副作用と聞くと「異常行動があるじゃないか」と思う方もいるかもしれません。ですが、これは薬の作用というよりも「インフルエンザそのものの症状だ」というのが、通説となりつつあります。
ですので、どの治療薬を処方されたかに関わらず、薬を服用しているときには異常行動に注意するようにしましょう。