長引く咳は風邪以外の他に重大な病気が潜んでいる可能性があります。
薬剤など医療の進歩から日本国においては結核の罹患者数は減少しましたが、完全に消滅したわけではありません。微熱、咳、痰が出るなど風邪の初期症状と似ているため医師を受診せず我慢してしまうと感染を広げる原因になります。
感染を広げないためにも長引く咳や体調が悪いと思ったら早めに医師の診察を受けるようにしましょう。
今回は結核の治療薬エサンブトールの効果や副作用について解説します。
効果
エサンブトールはエタンブトール塩酸塩を有効成分とする抗結核剤の薬剤です。
主に肺結核及びその他の結核症、マイコバクテリウム・アビウムコンプレックス(MAC)症を含む非結核性抗酸菌症に効果を発揮します。適応菌種にはエサンブトールに感性のマイコバクテリウム属に適応する薬剤です。
日本において結核の罹患者数は昔と比較して減少していますが、結核で治療を受けている方もいるのが現状です。特に乳幼児や高齢者、糖尿病、HIV感染者など体の抵抗力や免疫力が低下してる方は感染しやすくなります。
エサンブトールの有効成分が結核菌に対して抗菌力を現し、菌の発育を阻害することで症状を改善します。また結核菌の核合成を阻害して、細胞分裂を抑えることで発育を抑制します。
成人に対して1日量0.75~1 gを1~2回に分けて内服します。MAC症を含む非結核性抗酸菌症には、0.5~0.75gを1日1回内服しますが、1日量として1gを超えないようにします。
また、年齢や体重により薬剤用量は異なるため、医師の指示に従い適宜増減するようにします。
副作用
視力障害など副作用が現れることがあるので、状態に注意しながら内服するようにして下さい。
主な副作用は、四肢のしびれ感、幻覚、不安、不眠、発熱、発疹、掻痒、食欲不振、悪心、嘔吐、胃部不快感、胃痛、頭痛、めまい感、倦怠感、高尿酸血症など現れることがあります。
また白血球減少、好中球減少、好酸球増多、一過性のAST(GOT)、ALT(GPT)の上昇など血液の値や肝機能値などにも注意するようにして下さい。
重篤な副作用には視力障害が起こることがあります。
視力低下、中心暗点、視野狭窄、色覚異常等の視力障害など見られることがあるので、定期的に視力検査を行い視力に異常がないか確認するようにしましょう。
劇症肝炎など重篤な副作用が見られることがあるので、定期的に肝機能検査など行うようにします。
ショック、アナフィラキシーでは、蕁麻疹、全身潮紅、顔面浮腫、喉頭浮腫などの血管浮腫、呼吸困難など現れることがあるので内服直後の状態を確認するようにして下さい。
視神経炎や糖尿病患者、アルコール中毒と診断されている方はエサンブトールの内服により症状が悪化する恐れがあるので内服禁止となっています。
併用薬にも注意が必要で、リファンピシンの併用により視力障害が増強されたり、他の抗結核薬などで重篤な肝障害が現れることがあります。
まとめ
エサンブトールは結核に有効な抗結核剤です。
結核以外にも感染症は多く存在しますが、感染症は他人にも感染させてしまう可能性があるので、咳や微熱が続くなど体調不良を感じたら早めに医師を受診するようにしましょう。
早期に発見できれば回復も早まり、他人への感染を防ぐこともできます。