私たちの体は免役機能が働き、外部からのウィルス・細菌などが侵入すると外的とみなし、体内で闘う機能を持ち合わせています。
しかし、免疫異常やホルモンの影響、遺伝的要因などが原因で自己の免疫成分などに反応して自分の免疫細胞を攻撃してしまうことがあります。これを自己免疫疾患と呼んでいますが、自己免疫疾患にはさまざまな種類があり、シェーグレン症候群なども自己免疫疾患のひとつになります。
今回は、シェーグレン症候群の症状改善に用いれるエボザックカプセルの効果や副作用について解説します。
効果
エボザックカプセルはセビメリン塩酸塩を有効成分とする口腔乾燥症状改善薬の薬剤です。主にシェーグレン症候群の口腔乾燥症状の改善に用いられます。
シェーグレン症候群は自己免疫疾患のひとつで難病に指定されている病気です。涙腺と唾液腺をターゲットにして、自己の免疫に対し攻撃してしまう病気すが、目や口腔内、鼻腔内の乾燥などを主症状とします。
ウィルスや遺伝、ホルモンの影響などが関与していると言われ、このような要素が関係して発症すると考えられています。
エボザックカプセルは唾液腺に存在するヒト型M3受容体細胞を刺激することで、唾液の分泌を促し、シェーグレン症候群による口腔内の乾燥を防いでくれます。
通常、成人に対して1回30mgを1日3回、食後に内服することで症状が緩和するでしょう。
エボザックカプセルは症状を改善する薬剤で、病気を根本的に治療する薬剤ではありません。
副作用
どのような薬剤でも副作用が起こることがあるので、状態を観察しながら内服するようにしましょう。
主な副作用は嘔気、嘔吐、腹痛、食欲不振、下痢、多汗、嘔吐など見られることがあります。
その他、脈拍不整、高血圧、頻脈、心悸亢進、心電図異常、呼吸困難、肺浸潤など現れることがあります。
また、赤血球減少、ヘモグロビン減少、ヘマトクリット値低下、白血球減少など血液値の異常、LAP、LDH、総ビリルビン、ALT(GPT)、AST(GOT)、γ-GTP、ALPなど肝機能値の上昇など現れることがあります。
重大な副作用が現れることは稀ですが、間質性肺炎の症状が悪化することがあるので、副腎皮質ホルモン剤を投与するなど適切な処置を受けるようにして下さい。
高齢者の方が内服する際は肝機能や腎機能が低下している可能性があるため医師の指示に従い慎重に内服するようにします。
抗コリン作用を有する薬剤など併用している方は薬の相互作用などから効果が弱まったり、反対に強く出るなど副作用に繋がりやすいため、併用薬は医師に伝えるようにして下さい。
膵炎のある方や過敏性腸疾患の方、消化性潰瘍のある方、胆のう障害、排尿障害、甲状腺機能亢進症のある方などは症状が悪化する恐れがあるので医師の指示に従い慎重に内服するようにして下さい。
まとめ
エボザックカプセルはシェーグレン症候群による症状の改善に用いれる薬剤です。
自己免疫疾患は自己の免疫を攻撃してしまう病気で原因が解明されていない病気なども多くあります。口腔内や鼻腔内、目の乾燥などは不快な症状ですが、薬剤を用いることで症状が緩和して通常通り日常生活を送ることも可能です。
長期間、薬剤を内服する場合は定期的に肝機能値や血液検査などを行い状態を観察するようにしましょう。