白内障とは目の中にある水晶体が白く濁る病気です。水晶体はレンズの働きをしているので、白内障になると視力が低下したり、まぶしく感じるなどの症状があらわれます。今回は、この白内障の進行を遅らせる点眼薬のクララスティルについて解説していきます。
白内障とは
白内障の原因は主に加齢ですが、遺伝や性別などの個人的要因、喫煙や糖尿病などの環境要因など複合的な要因によって発症すると考えられています。
自覚症状がない人も含めると、60歳代では約70%、70歳代では約85%、80歳以上になるとなんと100%の人が白内障だと言われています。性別では女性の方が男性よりも3倍白内障になりやすいようです。
白く濁ってしまった水晶体は元に戻ることはありません。治療としては、完全に治すには手術をします。手術では濁った水晶体を取り出し、眼内レンズを入れます。
手術時間は30分程度なので、ほとんどの人が入院せずに手術をしています。ごく初期の場合には点眼により進行を遅らせる方法もあります。
それでは、クララスティルの効果と副作用について見ていきましょう。
効果
もともと人間の体内にはカルノシンという酸化を抑制する物質があるのですが、加齢に伴いカルノシン濃度は減少します。カルノシンが減少するため、水晶体が酸化して白内障がおこると考えられています。
クララスティルに含まれるNアセテルカルノシンには、水晶体の酸化を抑制し白内障の進行を予防する作用があります。使用方法は1日回2滴を点眼してください。1滴目を点眼してから5分後に2滴目を点眼してください。
副作用
クララスティルは副作用のない目薬だと言われています。ごく一部の人は点眼時にチクッするような刺激感を感じることがあるようですが、継続して使用するうちに感じなくなるようです。使用中にこのような症状が続く場合は医師や薬剤師に相談してください。
ピレノキシン系目薬(白内障の進行を遅らせる目薬)や抗酸化作用のあるサプリメント(ルテイン製剤、アスタキサンチン製剤)との併用は避けましょう。
特にピレノキシン系目薬との併用は副作用が強くあらわれる可能性があります。また、抗酸化剤サプリメントを併用するとクララスティルの効果が下がる可能性があります。
まとめ
白内障は高齢になれば誰もがかかる病気です。視力が低下したり、ものが見えにくくなったりすると生活に支障が出てきます。今のところ白内障の発症を予防する方法はありません。しかし進行を遅らせることはできます。
クララスティルはまだ日本では承認されていないため、個人輸入の形で購入することになります。そのため使用は自己責任になりますので注意しましょう。