
クラリスロマイシンは1970年代に大正製薬株式会社によって創製されたマクロライド系の抗生物質です。エリスロマイシンの改良版ということでニューマクロライドと位置づけされる場合があります。ここでは、クラリスロマイシンの効果・副作用を解説します。
効果について
作用機序はエリスロマイシン同様、細菌の50Sリボソームという部分に結合することにより、たんぱく質の合成を阻害するため増殖を抑える働きを示しますが、エリスロマイシンの構造を若干変えることで、弱点であった酸に対してより安定させることが可能となりました。
また、経口投与によって腸から吸収されやすく、半減期が長く、組織への移行性も高いことがエリスロマイシンとは違う特徴の一つでもあります。
ブドウ球菌、レンサ球菌などのグラム陽性菌やインフルエンザ菌などのグラム陰性菌、ヘリコバクター・ピロリ菌などに効果を発揮します。その中でもエリスロマイシンに比べて、インフルエンザ菌に対する活性は高いと言われています。
これらの細菌に付随した咽頭炎や扁桃炎、市中肺炎(呼吸器感染症)、皮膚感染症、中耳炎、副鼻腔炎(耳鼻科領域感染症)などのいわゆる一般的な感染症に加え、ヘリコバクター・ピロリ菌の除菌にも第一選択薬として使用されます。
ただし、近年においてクラリスロマイシンに限らずマクロライド系抗生物質ではブドウ球菌や肺炎球菌に対して耐性が進んでおり、第一選択薬として使用する際には注意と慎重な検討が必要になります。現に中等度以上の感染症ではほとんど第一選択薬として使用されることはありません。
一方クラリスロマイシンにドライシロップ小児用製剤もありますので、大人から小児まで幅広い層で処方される薬剤でもあります。1点注意しなければならないのが、疾患によって服用量、回数が異なるという点です。
例えば一般感染症では成人で1回1錠を1日2回服用します。非結核性抗酸菌症に対しては1回2錠を1日2回服用します。
また、ヘリコバクター・ピロリ感染症にはクラリスロマイシンを1回1錠とアモキシシリン、プロトンポンプインヒビター(PPI)の3剤を1日2回7日間服用するとなっています。
副作用
副作用においてもエリスロマイシンとよく似ており、主なものとしては下痢・嘔吐などの消化器症状です。ただし、発現頻度としてはエリスロマイシンよりも少ないと言われています。
加えて、クラリスロマイシンを含め、マクロライド系抗生物質では相互作用にも気を付けなければなりません。具体的には抗けいれん薬やワーファリンなどの抗凝固薬、免疫抑制剤などになります。
最後に
今回は、クラリスロマイシンの効果と副作用について見てきました。クラリスロマイシンだけでなく、どんな薬についても言えることですが、効果や副作用、用法・用量をしっかりと知った上で服用するようにしましょう。