
感染症は決してなくなることのない病気です。子供や高齢者など免疫力が低い人では、感染症が重症化しやすくなります。50年程前までの日本では、感染症によって亡くなる人が多くいました。
医療が進歩し、抗生物質が一般的に使用されるようになったので、昔に比べれば感染症が原因で亡くなる人は減っています。そのことは、日本の平均寿命が長くなった理由の一つでもあります。
しかし、抗生物質が効かない耐性菌の問題も出てきています。今回は、細菌感染症の治療薬・クラフォラン注射用1g・0.5gについて解説していきます。
効果
クラフォラン注射用は、一般名を「セフォタキシムナトリウム(CTX)」と言います。第3世代セフェム系に分類される抗生物質です。細菌の細胞壁の合成を阻害することで、病原菌を殺菌します。
レンサ球菌、肺炎球菌、大腸菌、インフルエンザ菌、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア属などの細菌に抗菌力があります。一部の抗生物質が効かないβラクタマーゼ産生菌(耐性菌)に対しても強い抗菌力を示します。
これらの菌が原因でおこる、敗血症や外傷・熱傷・手術後の二次感染、肺炎、急性気管支炎、心内膜炎、子宮内感染症、腎盂腎炎などの治療に使用されます。
骨髄内への薬剤の移行性が良好なので、化膿性髄膜炎の治療にも有効です。通常成人には、1日あたり1~2gを2回に分けて、注射または点滴で投与します。重症の場合は、1日4gまで増量して、2~4回に分けて投与することがあります。
小児の場合には、体重1㎏あたり50~100㎎(最大150mgまで増量可能)を3~4回に分けて投与します。小児の化膿性髄膜炎では、体重1㎏あたり300mgで増量できます。
成人には、静脈内注射でも筋肉内注射でも点滴静注でも投与できますが、乳幼児や小児には、筋肉内注射はできません。
副作用
クラフォラン注射用によっておこる副作用には、発疹やかゆみ、発熱といった過敏症、下痢、嘔吐などの消化器症状、AST上昇やALT上昇といった肝機能への影響などがあります。これらの症状がおこる頻度は0.1~5%未満と低いものなので、あまり心配する必要はありません。
おこる可能性はほぼありませんが、重大な副作用として、ショックやアナフィラキシー、急性腎不全、偽膜性大腸炎、汎血球減少症、溶血性貧血、肝機能障害・黄疸、間質性肺炎、中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群などがあります。
まとめ
日本は、諸外国に比べて抗生物質の使用量が多い国です。そのため、耐性菌による問題が深刻になっています。
クラフォラン注射用は、他の抗生物質に耐性を持った菌にも効果があります。骨髄内への薬剤の移行性が良いので、化膿性髄膜炎の治療にも使用されます。
小児の髄膜炎では、治療が遅れると後遺症が残ったり、命にかかわることになります。クラフォラン注射用は、そのようなリスクを下げることができる薬です。