
高齢化により身体の機能ばかりではなく脳の機能も低下してきます。脳の機能が低下すると、脳のコントロールが上手く働かず、日常生活にも支障をきたすことがあります。
このような状態を認知症と言いますが、いくつか種類があり、更に認知症を発症する高齢者は増加傾向にあると言われています。認知症では薬剤を内服することにより症状の進行を抑えることができます。
今回は認知症の薬、アリセプトの効果や副作用について解説します。
効果
アリセプトはドネペジル塩酸塩を有効成分とする認知症の症状を軽減する薬剤です。認知症にはアルツハイマー型認知症、脳血管型認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症の種類があります。
アリセプトは主にアルツハイマー型認知症及びレビー小体型認知症における認知症症状の進行の抑制に作用する薬です。アルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症では、脳のアセチルコリンの分泌が関与しています。
有効成分のドネペジル塩酸塩は、アセチルコリンエステラーゼの酵素を阻害して脳内のアセチルコリンの分泌を増加させ、症状を軽減します。
アルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制には成人に対して、1日1回3mgから開始し、1~2週間後に5mgに増量し内服します。高度のアルツハイマー型認知症の方には、5mgで4週間以上経過した後、10mgに増量します。
薬の用量は、症状により増減するので医師の指示に従い内服するようにして下さい。
また、レビー小体型認知症における認知症症状の進行抑制には、1日1回3mgから開始して1~2週間後に5mgに増量して内服します。
5mgで4週間以上経過した後、10mgに増量しますが、症状により5mgまで減量できます。
いずれの場合も症状により内服量が異なるため、医師の指示に従い内服して下さい。
副作用
治療薬では消化器系に副作用ができることがあるので、注意しながら内服するようにしましょう。
主な副作用は、発疹、そう痒感などの過敏症、食欲不振、嘔気、嘔吐、下痢、腹痛、便秘、流涎、嚥下障害、便失禁など見られることがあります。
その他、興奮、不穏、不眠、眠気、易怒性、幻覚、攻撃性、せん妄、妄想、多動、抑うつ、無感情、リビドー亢進、多弁、躁状態、錯乱などの精神神経系の副作用も見られます。
徘徊、振戦、頭痛、めまい、昏迷なども中枢・末梢神経系の副作用として現れることがあります。またLDH、AST(GOT)、ALT(GPT)、γ‐GTP、Al‐Pなど肝機能値の上昇、動悸、血圧上昇、血圧低下、心房細動など見られることがあります。
重大な副作用には心室頻拍や心室細動、高度の徐脈など重度の不整脈など現れることがあります。
心筋梗塞や狭心症では内服を中止して直ちに医師の処置を受けるようにして下さい。
消化性潰瘍、十二指腸潰瘍穿孔、消化管出血などでは、胃酸分泌または、消化管運動が促されることによって副作用に繋がります。
肝炎、肝機能障害、黄疸、急性腎不全、脳性発作、脳出血、脳血管障害など見られたら内服を中止して医師の診察を受けるようにして下さい。
重大な副作用が起こった時は、内服を中止して速やかに医師による処置を受けるようにして下さい。
コリン賦活剤やCYP3A阻害剤、ブロモクリプチンメシル酸塩などこの他にも併用薬に注意が必要な薬剤があるので、薬の併用薬がある場合は医師に伝えるようにして下さい。
洞不全症候群、心房内及び房室接合部伝導障害、消化性潰瘍の既往歴のある方、気管支喘息または、閉塞性肺疾患の既往歴のある方は薬の作用で副作用が起きやすい状態のため、医師の指示に従い、慎重に内服するようにします。
まとめ
アリセプトは、認知症に効果的な薬剤です。
高齢になると体の機能が衰えたり、物忘れや記憶力が低下するなど脳に問題が起こることがあります。認知症にかかってしまうと日常生活や社会生活にも大きく影響するので、薬剤を使用して進行を遅らせるようにしましょう。
内服する際も一人ではなく、誰かが見守って事故が起きないように配慮することが大切です。
また、アリセプトと同様に認知症に使われる薬剤としてメマリーという薬剤もあります。アリセプトとメマリーとの違いや使い分け方法などもぜひご覧ください。