耐え難い関節の激痛を起こす痛風。痛風になったら、食べてはいけない食品がありますが、「痛風に納豆が良くない」と耳にしたことはありませんか?ここでは、痛風には納豆が良くないのかやその理由についてまとめてみました。
痛風になる原因は?
痛風は、血液中の尿酸が過剰になると溶けきれなくなり、尿酸ナトリウムとして結晶化して、関節に溜まり、激痛を起こします。
また、尿酸は、もともと、水に溶けにくい性質をもっているため、血液や尿が酸性に傾いたり、温度が低くなったりすることで、さらに溶けにくくなり、結晶化しやすくなります。
この痛風の原因物質である尿酸を作り出すのが、「プリン体」と呼ばれる物質です。プリン体は、ヒトの体内にも存在し、細胞の核酸が分解されたり、エネルギー産生に関わる物質が分解されることででき、そのプリン体が分解されると尿酸ができます。
プリン体は、細胞の核酸の分解産物であるため、肉類、魚介類、野菜、豆類などなどほとんどの食品に少なからず含まれています。
そのため、以前は、痛風になったら、プリン体を多く含む食品は、控えるように食事制限されていました。しかし、最近の痛風治療では、プリン体は、1日400mgまでは摂取しても構わないとされています。
痛風に納豆は良くないのか?
納豆といえば、納豆菌や食物繊維の働きで便秘を解消し、栄養も豊富でとても健康に良い食品として有名ですが、本当に痛風にはよくないのでしょうか?結論から言いますと、納豆は、痛風になっても食べ過ぎなければ問題ありません。
良くない理由は?
納豆が痛風に良くないといわれる理由は、納豆はプリン体を多く含む食品とされていたからです。納豆には、100g当りプリン体が113.9mg含まれています。
高尿酸血症・痛風の治療ガイドラインでは、100g当り200mg以上のプリン体を含む食品は、「プリン体含有量が多い食品」とされております。
実のところ、納豆はプリン体の含有量が少ないわけではありませんが、多い食品には該当しません。さらに、納豆1パックは、大体50gくらいなので、毎日1パック食べても問題にはなりませんね。
また、納豆は、アルカリ食品に分類され、尿をアルカリ性に傾ける働きがあります。尿がアルカリ性に傾くと、尿酸は溶けやすくなり排泄が促進されます。そのため、納豆の適量摂取は、痛風になりにくくする方に働くといえます。
まとめ
痛風に納豆は良くないということはなく、むしろ健康のためには、食べたほうが良いですね。しかし、体に良いからといって、納豆ばかり摂るのは、プリン体の摂取が過剰となり、痛風を起こしやすくなる可能性はありますので、食事は、栄養のバランスよく、適量を摂ることが大切です。