「風が吹いても痛い」と表現されるほどの関節の激痛を起こす痛風。一度発症したら、痛風は治るのでしょうか?ここでは、痛風は治るのかといった情報にに加えて、完治までの期間や治し方についてまとめていきたいと思います。
痛風とは
痛風は、血液中の尿酸が過剰になると発症しやすくなります。尿酸とは、身体の細胞のDNAが分解されたり、エネルギーが作られる過程でできる物質が分解されてできるプリン体という物質から作られる老廃物です。
ヒトの体内では、尿酸はそれ以上分解できないので、尿とともに排泄されます。しかし、尿酸は、もともと水に溶けにくく、血液や尿が酸性に傾いたり、温度が低くなったりするとさらに、溶けにくくなり、尿酸ナトリウムとなって結晶化します。
そして、痛風とは、結晶化した尿酸ナトリウムが関節に溜まって、痛風発作といわれる激痛を起こす病気になります。。足の親指の付け根の関節の激痛が最初に現れることが多いです。
痛風は治るのか?
痛風は、一度発症すると、完全に治ることは難しいと言われています。痛風は、血液中の尿酸値が高くなることで、結晶化し、関節に溜まり痛みを生じます。
痛風発作を起こした時、積極的に治療しないでそのままにしていても1週間~2週間くらいで痛みが治まってきて、その内、全く症状がなくなります。この時、病院で「痛み止め(非ステロイド系消炎鎮痛薬)」を処方してもらうと3~4日で痛みが治まります。
しかし、1年以内に再び発作を起こす場合が多く、次第に発作の起きる間隔も短くなってきて、症状もひどくなります。腎機能が悪くなったり、尿路結石ができるなどの合併症が出てくる場合もあります。
そのため、一度、痛風発作が治まっても治ったということにはなりません。発作の後、血液中の尿酸値が高いままでは、痛風発作を繰り返してしまうため、再発予防のために、常に食事や生活をコントロールしていく必要があります。
完治までの期間は?
痛風は、血液中の尿酸値が高い状態が続くことで発症するため、食事内容の改善や生活習慣の改善、尿酸値を下げる薬の服用などが必要となります。
そのため、尿酸値をコントロールするため、常に食生活などを意識していかなくてはいけないので、完治ということは生涯ないという考え方もあります。
そして、薬物療法を行わなくても支障なく生活できるまでどのくらいの期間が必要かも、痛風の状態やどこまで食生活や生活習慣が改善できるかで、個々に異なってくるといえるでしょう。
痛風の治し方は?
痛風の主な治し方には、「薬物療法」「食事療法」「運動療法」の3つがあります。
薬物療法
痛風発作の前兆の時期には、「コルヒチンを1錠(0.5mg)を服用する」ことで発作を抑えることができます。すでに痛風発作に見舞われている時は、患部を安静にし、冷やします。この間は、お酒を控えるようにしましょう。
そして、非ステロイド系消炎鎮痛薬を比較的多めの投与量で短期的に服用して、炎症を抑える方法がとられます。これら痛み止めによる治療は、対症療法であり、根本的な治療ではありません。
血液中の尿酸値を6.0mg/dL未満に維持することで、痛風結節が小さくなり、消失することが認められており、再発の防止になります。
痛風発作中に血中尿酸値を下げる薬を始めると、発作を悪化させるため、尿酸値を下げる薬を服用する場合は、発作が治まってから開始されます。
食事療法
痛風を治すには、偏った食生活を改善することが重要です。食品から摂取するプリン体は、全体の20%程度といわれていますが、やはり大量摂取は控えたいですね。
尿酸のもととなるプリン体を多く含む、ビールやレバー、煮干し、イワシの干物などを大量に摂り過ぎないようにしましょう。
また、尿を酸性に傾ける肉類や魚介類、アルコールは、尿酸を結晶化しやすくするため、摂り過ぎには注意です。
逆に野菜やきのこ類、海藻類などは、尿をアルカリ性に傾けるため、尿酸が尿に溶けやすくなり、排泄を促進しますので、積極的に摂りましょう。
運動療法
運動療法は、ウォーキングやサイクリングなどの有酸素運動が効果的といわれています。逆に息のあがるような急激な運動は、尿酸の産生を促進してしまうため、注意しましょう。
まとめ
痛風は一度発症すると、継続的な血中尿酸値のコントロールが必要です。痛風の原因といわれる、生活習慣の乱れや暴飲暴食、ストレスなどを改善し、バランスの良い食事、適度な運動で痛風を予防していくことが重要です。