心筋梗塞の検査では血液を採り、成分の値を調べます。血液検査の値は心筋梗塞を発症してからの時間の経過により変わります。
正確に判断するのは難しいこともありますが、おおよその判断は可能です。ここでは、心筋梗塞の血液検査の項目について見ていきます。
目次
心筋梗塞の診断で診る項目一覧
- トロポニンT
- トロポニンI
- クレアチンキナーゼ(CK)
- CK-MB
- GOT(AST)
- GPT(ALT)
- LDH
- 白血球
- ミオクロピン
これらの値は、正常時には一定の範囲内で収まります。しかし、何らかの異常があれば、値が上昇します。
重要視される項目は?
トロポニンT
発症後緩やかな上昇を示します。発症後数日経ってから入院したとしても、急性心筋梗塞を発見できます。急性期に使用します。
トロポニンI
トロポニンT同様に急性心筋梗塞を発見できます。ちなみに、トロポニンTとIの測定を同月に行うことが保険では認められていません。
クレアチンキナーゼ(CK)
最大値が梗塞巣の大きさで、心筋壊死の量を反映します。24時間前後で数値はピークになります。正常値は、男性で、40-200IU/I、女性で、30-120UI/Iとなっています。
CK-MB
心筋に多く含まれているため、CK値が上昇している場合は「心筋障害(壊死)」が起きていると判断できます。
GOT(AST)
体内でアミノ酸酵素に対応している酵素です。組織の障害があると組織の中から外に出て、血液に流れます。単体で検査することがなく、GPT(ALT)と一緒に検査します。
GOT(AST)は、肝臓・心臓・骨格筋・赤血球が障害を受けると数値に異常が見られます。心疾患の場合は、GOTがGPTの値よりも、かなり高い値を示すことが多いです。
心筋梗塞の場合、4-8時間経ってから上昇し始めます。12-48時間で最高値となり、3-5日程度で基準値に下がります。
血液検査について
これらの数値の原因となる物質は、心筋梗塞により徐々に心臓の筋肉が壊死し、壊死した細胞にある酵素やタンパク質が壊れる時に血中に漏れます。
血液検査を行うと血液中の酵素やタンパク質の値で心臓の細胞が破壊されているのかが分かります。各酵素やタンパクの値が上昇していると心筋梗塞の可能性が高くなります。
いずれの酵素やタンパク質も心筋梗塞発症から血液中で上昇するまでに時間のズレがあります。血液検査の数値が上昇していないからといって、心筋梗塞が起きないという訳ではありません。
基本的には、血液検査と心電図の波形の結果から心筋梗塞なのかが分かりますが、どちらの検査でもはっきりしない場合は、心臓カテーテル検査というものが行われることもあります。
最後に
今回は、心筋梗塞の血液検査で診る項目について見てきました。素人目には、どの数値が何を指しているかなどは分からないかもしれません。ですので、分からないことがあれば、主治医にしっかりと確認するようにしてください。