胸の痛みや圧迫感などが起こる狭心症ですが、ひと口に狭心症と言ってもその原因や症状の出るタイミングなどによっていくつかの種類に分かれています。今回は、その狭心症の6つの種類について調べてみました。
労作性狭心症
心臓に負担がかかることで起こる狭心症のことを労作性狭心症と呼びます。心臓につながる冠動脈が狭くなることで心筋に十分な栄養補給をすることが出来なくなって起こります。
歩行や階段の上り下りなどの身体的な運動や、精神的な興奮やストレスが誘因となります。運動時や、精神的に緊張することで心臓が普段より激しく動きより多くの酸素を必要とするために起こります。
その他にも暖かいところから急に寒いところへ出た場合に起こることもあります。労作性狭心症の発作は長くても15分くらいで、安静にすることで治まってきます。
安静にすることで心臓への負担が軽減され、冠動脈を通って十分な血液が心筋に供給されると胸の痛みなどの症状が自然に消失してくるのです。
冠攣縮性狭心症 (安静時狭心症)
心臓の筋肉である心筋に分布する冠動脈にケイレンや収縮を起こして生じる狭心症のことを言います。
ケイレンを起こすことで血管が一時的に狭くなり、血流が妨げられるために起こります。とくに日本人に多く、欧米人の4-5割も多いといわれています。
睡眠時や安静時に起こるため、安静時狭心症と言われることもあります。明け方に発作が起こることが多いため発見が遅れることが多く、自覚症状のないまま進行していることもある厄介な狭心症です。
不安定性狭心症
動脈硬化などにより心臓への血流が不足して起こる労作性狭心症の一つです。症状が出るタイミングが不定期、または突発的で症状の強さもその度ごとに変わってきます。
症状が安定していた人が痛みがひどくなる、発作の起こる回数が増える、少しの動作で発作が起こるような症状が出た場合は心筋梗塞に進行していることがあるので危険です。急いで病院へ行ってください。
微小血管狭心症
心筋の血管収縮が原因になる狭心症です。冠攣縮性狭心症の一つですが、心臓の筋肉内の深くて細い血管に異常が起こって生じます。更年期の女性が胸の痛みを訴えると微小血管狭心症が疑われます。
原因は女性ホルモンのエストロゲンが減少して血管が収縮しやすい状態になったためではないかと言われています。突然死はありませんが、検査をしても異常が出ることが少ないので、わかりにくいのが難点です。
異型狭心症
冠攣縮性狭心症と同じような症状を起こします。安静時や就寝時に発症することが多く、とくに若い女性に多くみられます。
原因は中性脂肪やコレステロールなどに関係なく、ダイエットなどが原因の血流障害か極度のストレスではないかといわれています。
異型と呼ばれるのは運動時ではなく、安静時に胸の痛みなどが起こるためと、発作中は心電図に特徴的な変化がみられるためです。
まとめ
狭心症の種類をみてきましたが、どの狭心症も治療が必要な場合が多く、放っておくと大変なことになる狭心症もあります。胸の痛みなどを感じたら、早めに循環器科などで検査をしてもらいましょう。