
赤ちゃんは、成人に比べるとどうしても免疫力が弱いため、いろいろなことに気を配る必要があります。しかし、母体からの影響が残っている時期は、どれだけ気をつけた所で防ぎようがないものがあります。
その代表的なものが「乳児脂漏性湿疹」と呼ばれているものです。乳児脂漏性湿疹の原因・対処法・市販薬などについて解説していきます。
原因は?
乳児脂漏性湿疹の原因については、母体からの影響が残っており、ホルモンバランスが取れておらず、皮脂が過剰分泌されることが原因と言われています。
これは、赤ちゃんの成長過程において、避けることができないもので、過剰分泌を止める方法もありません。そのため、日頃からのケアが非常に重要なものになります。
症状は、首から下に出ることがなく、痒みがないのが特徴で、頭皮に黄色いかさぶたのようなものができたり、まゆげや顔の皮膚がフケのようにボロボロとしたりする症状が出ます。
成人でも脂漏性湿疹になってしまうことがありますが、赤ちゃんの場合、体のいろいろな機能が未熟です。皮脂の出口も同様で、過剰分泌される皮脂に加えて、皮脂が排出されにくいことから脂漏性湿疹になっていまいます。
対処法は?
乳児脂漏性湿疹になった場合、何より清潔さを保つことが肝心です。とくに頭皮にはかさぶたのようなものができるので、心理的にはがしたくなりますが、絶対にしないよう注意してください。
無理にはがしてしまった場合、そこから雑菌が侵入し、別の病気を引き起こすことがあるからです。必要以上の刺激を与えないように、なでるように洗ってあげましょう。
このとき通常のベビーシャンプーを使って問題はありません。むしろ力を入れてゴシゴシと洗うよりは、ベビーシャンプーの洗浄力にまかせて汚れを落としてあげるくらいで充分です。
顔などに脂漏性湿疹ができている場合もベビーソープを使って同じように洗ってあげましょう。
市販薬は?
乳児脂漏性湿疹は、適切にケアをしてあげていれば、長くても数週間で治ることが多いです。しかし赤ちゃんの体質によっては、長引いてしまうこともあります。
不安に感じたら、必ず医師に相談することが重要です。脂漏性湿疹の症状がひどくなると、ジュクジュクと膿んでくるので、すぐに判ります。
そのような場合も、独断で市販薬を使うようなことはせずに、医師に相談するようにしましょう。
乳児脂漏性湿疹向けの市販薬というのは、販売されていません。大抵は大人向けの薬となっていますし、配合されている成分も強力なものが多いので、自己判断での使用は控えましょう。
ただ、保湿をするためのワセリンは問題ありません。日本薬局方の「白色ワセリン」は、乳児にも使うことができるワセリンとなっていますので、洗髪や洗顔後に使ってあげるのも治療を早める効果があります。
スキンケアの基本ですが、保湿性を高めることは肌の免疫力を高めることにつながります。免疫力が未熟な赤ちゃんの場合、ワセリンなどを使用してカバーしてあげるようにしましょう。
また、先ほど出てきた「白色ワセリン」については、こちらの記事でも詳しく紹介しています。
最後に
今回は、「赤ちゃんの脂漏性湿疹(乳児脂漏性湿疹)」の原因や市販薬について見てきました。赤ちゃんに発疹が出ると、慌ててしまうかと思いますが、上記の内容を参考にして落ち着いて対処してくださいね。