白血病はこまめに健康診断を受けたり、体の不調に気が付いてあげることで早期発見・治療が可能な病気になりつつあります。まずは、血液検査によって早めの発見が治癒への第一歩です。そこで、今回は、白血病の血液検査について数値の見方とともに理解を深めていきましょう。
白血病はどのような病気?
白血病というと、出血や無菌、難病などさまざまなイメージをもたれるかもしれません。芸能人でも白血病により命を落とした方も少なくありません。現在、日本における白血病の発症数は人工10万人あたり男性で11.4人、女性で7.9人です(2011年調べ)。年齢層では高齢者に多く、その他の世代では発症の人口分布に大きな違いはありません。
白血病は、「血液のがん」と呼ばれ、本来赤血球や白血球、リンパ球など血液がつくられる段階でわかれる血液細胞がなんらかの原因でがん化してしまい、本来の止血作用や免疫、酸素や栄養の運搬といった働きが行われなくなってしまう病気です。がん化した血液細胞の種類によって骨髄性、リンパ性、また進行具合によって急性、慢性などと分類されます。
白血病による主な症状は多岐にわたりますが、血液が本来担っていた役割が行われなくなることによる影響が多くみられます。なかでも主なものとして、貧血、体重減少、出血、アザ、発熱、頭痛、かゆみなどが挙げられます。
白血病はどのようにして診断されるの?
では、白血病はどのようにして発見されるのでしょうか?自覚症状があり、医師が血液検査を進めることでわかります。
しかし、白血病の症状はとくに初期の段階においては疲労などと看過されやすいため、進行が進んでしまっているということも少なくありません。さらには、まったく自覚症状がなく病状だけが進んでいるというケースもあります。
したがって、定期的な健診をきちんと受けるほか、少しでもいつもと体調の変化が感じられたときは無理をせずに内科を受診することが大切です。
では、次に実際の数値とともに血液検査で白血病が疑われる項目とそれぞれの値をみていきましょう。
赤血球
基準値が男性ならば430~570万/μl、女性ならば390~520man 万/μlで、この基準値より低い場合は鉄分が欠乏し、貧血気味で、著しく低い場合には白血病も疑われます。
ヘモグロビン
酸素を運ぶ働きのあるヘモグロビンは男性ならば平均13.0~16.6g/dl、女性ならば11.4~14.6g/dlです。赤血球の減少と同様にヘモグロビンも減ることで貧血症状が見られ、平均値を大きく下回る場合は白血病をも疑われます。
網状赤血球数
これは成熟した赤血球になる一歩手前の赤血球を指し、血液をつくりだす場所の骨髄に関係する病気、つまり白血病などの有無を調べるのに欠かせません。基準値は男性で8000~11万/μl、女性は8000~12.5万/μlで、これより下回る場合は造血衣が低くなっている可能性があり白血病が疑われます。
白血球数
白血球は異物に対して体を守る働きがあります。したがって、感染症などにかかっている場合は数値が高くなる傾向にあります。基準値は成人で3300~9000/μlですが、新生児や幼児は成人よりかなり多く、成人であっても1日のなかで値は変動し、喫煙やアレルギーの影響によっても変わります。しかし、3,000個以下など急激な減少が見られたり、急激な増加が見られたときは白血病の可能性もあります。
まとめ
血液検査によって、白血病である疑いが高まると、骨髄液の検査など、より詳細な検査によって診断がくだされます。白血病は早期の発見、治療で治癒が目指せる病気です。
もしなってしまっても、一刻でも早く治療が受けられるよう血液検査をはじめとした健康診断はきちんと受け、日ごろの不調を見過ごさないようにしましょう。