
国民病と呼ばれるほど、近年日本人の間で増え続ける腎不全。腎不全にはステージがあり、長期での病気との付き合いがともなうため、食事療法が欠かせません。そこで、今回は、腎不全とは何か、また、食事療法におけるポイントをご説明したいと思います。
腎不全とは?
では、腎不全とはどのような病気なのかみていきましょう。腎臓はおへその左右横あたりにある、ソラマメのような形をした、にぎりこぶしほどの大きさの臓器です。
腎臓の主な働きは、以下の7つです。
- 尿の量を調節
- 老廃物の排せつ
- ナトリウムやカリウム、リンなど電解質の量の調整
- 血液を弱アルカリ性に保つ
- 正常な骨を維持するためのビタミンDの活性化
- 赤血球の産生を促す成分エリスロポエチンの分泌
- 血圧を調整するホルモンであるレニンの分泌
したがって、腎臓がうまく機能しなくなることでむくみ、老廃物が体にたまる、電解質が体にたまる、血液に酸がたまることで呼吸が早くなる、骨がもろくなるなどの症状が現れます。
腎臓の機能が低下していること、またはまったく機能しなくなっている状態を腎不全といいますが、病状別に2種類あります。一つは急に腎臓の機能がうまく働かなくなってしまう急性腎不全で、これは適切な治療を行うことで腎臓の機能の回復が見込めます。
また、もう一つは慢性腎不全で、こちらは徐々に腎臓の機能が低下していき、数か月から数十年かけて機能が失われていきます。慢性の場合、機能の回復は見込めず、透析などの対症療法もしくは腎臓移植などの根治療法が行われます。いずれにおいても食事療法は欠かせません。
おすすめの食事は?
腎不全になると、電解質やたんぱく質が老廃物として排出されないため、腎臓に負荷をかけないよう摂取する食べ物、栄養素の制限が大切です。腎不全の治療においては、タンパク質の制限が必要です。
タンパク質は体内で代謝され、不要なものが血液にたまり、腎臓で濾過されます。しかし、腎不全の方はうまく濾過と排出ができないため、老廃物が多くなり腎臓への負担が増えてしまいます。
そこで、目安として1日のタンパク質の摂取量を体重1kgあたり、0.6~0.7gが推奨されています(体重50キロの人で50×0.6=30g)。卵1個に約6g、鮭一切れで約12gと意外と多く含まれています。
また、塩分も溜まってしまう腎不全の患者さんには、高血圧の方も少なくありません。したがって、塩分のコントロールも必要です。1日6gまでとすることが推奨されていますが、こちらもウインナー1本約0.4g、はんぺん約1.2gと多く、ラーメン1杯では約7.6gとなり、1回で一日の摂取量を上回ってしまいます。
また、電解質もたまりやすいためカリウムやリンなどの摂取量にも気を付けましょう。そして、尿として水分の排せつもできなくなりますので、水分の摂取量を適度に控えましょう。
注意するべきことは?
次に腎不全の治療における食事療法で注意することを挙げます。食事制限ではたんぱく質やカリウム、塩分などをはじめ、さまざまな栄養素の制限が必要です。しかし、たんぱく質は筋肉をつくるためにも三大栄養素の1つとしても欠かせない栄養素でもあります。
また、あまりに食事制限を行うことで、安心して食べられるもの1種を3食などバランスが偏ってしまうのも問題です。腎不全の食事療法で注意しなければならないことは、以下の通りです。
- バランスのとれた食事(品目数を多く)
- 規則正しく1日3食
- 塩分を控えるためにもハーブや香草を活用するなど工夫して味付けを行う
まとめ
腎不全には食事療法がとても大切です。しかし、毎食成分や栄養素を気にするのは大変ですし、ストレスもたまります。レシピを残してうまくローテーションさせるなど工夫して長く気楽に続けられるようにしましょう。