雪が融けて、気温が上がってくると非常に過ごしやすい季節が到来しますが、すぐに湿度が上がり、不快指数を気にしなくてはならない季節がやってきます。
とくに注意したいのが、食品の管理です。食中毒になって体調を崩してしまう人は毎年、少なからず存在します。食中毒になると、どのくらいの時間で発症するのでしょうか?ここでは、食中毒は何時間後に発症するのかを菌ごとにまとめています。
食中毒の原因は1つではない
食中毒の原因となるものは、一つとは限りません。化学物質、ウイルス、細菌感染などが原因となって食中毒が引き起こされます。代表的な症状は、腹痛、下痢、発熱、嘔吐などがあります。
原因となっているものの中で多く見られるのが細菌感染による食中毒です。食中毒の原因となる最近にも複数存在しており、毒素によって食中毒が引き起こされるもの、感染した段階で食中毒が引き起こされるものに分類されます。
腸炎ビブリオ菌の場合
腸炎ビブリオ菌は、主に魚介類や刺し身などに存在している細菌です。感染型の食中毒の代表格と言えるもので、増殖力も非常に強く、感染してから12時間以内に症状が現れることがほとんどです。
腸炎ビブリオ菌によって引き起こされる症状には、激しい腹痛や下痢、嘔吐といった食中毒の典型的な症状があり、まれにしびれやチアノーゼ(酸素欠乏)を引き起こすこともあります。
カンピロバクター菌の場合
カンピロバクター菌は、ピロリ菌の一つで、鶏肉から感染する感染型食中毒の原因となる細菌です。感染源は鶏肉であることが多く、潜伏期間は24時間から1週間とかなり幅があります。
食中毒の典型的な症状である、腹痛、下痢、嘔吐とあわせて、お腹が張るような症状が出ることもあります。
腸管出血性大腸菌の場合
腸管出血性大腸菌の代表的なものはO-157でしょう。ここ数年でよく話題になるので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。
あまり加熱していない肉類から感染することが多く、潜伏期間は72時間から9日程度と非常に幅があります。症状は出血を伴う下痢が特徴で、感染してから3日以内に症状が現れることが一般的です。
また、O-157から作られるベロ毒素は非常に危険で、処置を誤ると死に至ることもあります。ただ、腸管出血性大腸菌の多くは熱に弱いのでしっかりと火を通しておけば、問題ないとされています。
ボツリヌス菌の場合
ボツリヌス菌は、肉、魚、発酵食品をはじめ缶詰などの真空包装食品から感染するケースが多く報告されています。
毒素型の直中毒を引き起こすもので、潜伏期間は4時間から36時間ほどと非常に短いのが特徴で、めまい、頭痛、神経障害などを引き起こします。
ブドウ球菌の場合
ブドウ球菌は様々な病気を引き起こすことでも知られています。その中に食中毒も含まれており、毒素型の食中毒に分類されます。おにぎりやサンドイッチなど調理済みのお弁当から感染することが知られています。
2時間から4時間と非常に短い潜伏期間で腹痛、下痢、嘔吐、筋肉痛などの症状が表れますが、多くの場合、24時間以内に症状が改善されていきます。
まとめ
食中毒になる原因は様々なので、自己判断によって対処しようとするのは危険です。潜伏期間から、推測することはできても、確定できるわけではありませんので、体調に異常があった場合は、医療機関で相談するようにしましょう。そのときに、1週間以内にどのようなものを口にしたのかを伝えるとスムーズに診断が行なわれるでしょう。