
食中毒は、細菌やウイルス、化学物質、自然毒などのさまざまな原因で起こります。原因菌によって症状は異なりますが、逆に症状から原因菌を特定することも可能です。ここでは、食中毒の症状をまとめ、それぞれの原因菌ごとに個別に紹介しています。
目次
嘔吐や下痢、腹痛を伴う場合
腸炎ビブリオ菌
感染源は、お刺身、魚介類などからの感染が多く、潜伏期間は短く10時間~20時間くらいです。症状は、強い腹痛があり、下痢や嘔吐を伴い、チアノーゼがみられるほど重症化する可能性があります。
ウェルシュ菌
感染源は、スープ類やカレーなど、魚介類、食肉、野菜などを調理したものからが多く、潜伏期間は6日~15日程度です。
症状は、軽い場合が多く腹痛や下痢が起こりますが、通常は早めに回復します。ごくまれに重症化した場合は、しゃべりずらさ、分泌障害、視覚障害、などが起こる可能性があります。
ブドウ球菌
感染源は、調理済みの弁当やサンドイッチなどが多く、潜伏期間は短く、2時間~4時間で、症状は、下痢や嘔吐、筋肉痛や腹痛などが起こりますが、ほとんどの場合1日くらいで回復します。
セレウス菌
感染源は、食肉などを使用したスープなどが多く、潜伏期間は短く、30分~6時間くらいです。感染してから短時間で嘔吐などが現れ、下痢なども起こることもあります。
寄生虫食中毒
生の魚介類に寄生しているアニサキスやクドア・セプテンプンクタータや、馬肉のサルコシスティス・フェアリーなどがあります。腹痛や下痢、嘔吐などの症状が起こります。
発熱を伴う場合
腸管出血性大腸菌(O157など)
O157は、牛の大腸に常在している菌で、牛の腸の内容物に汚染された食品が感染源で、生肉や過熱不十分な食品、保菌者の排泄物などに汚染された食品や手などから感染します。
潜伏期間は、3日~9日程度です。症状は、ベロ毒素を産生し、出血を伴う下痢や高熱が起こります。集団感染にもつながるので注意が必要です。
カンピロバクター菌
感染源は、食肉で、鶏肉からの感染が多く、潜伏期間は1日~7日程度です。症状は、下痢や嘔吐、腹痛、腹部の張り、発熱などの症状があります。
ウイルス性食中毒(ノロウイルスなど)
ノロウイルスの感染源は、牡蠣などの貝類が多く、ウイルスに汚染された食品、感染者の手、便、嘔吐物などで感染が広がります。
潜伏期間は、1日~2日程度です。症状は、下痢や嘔吐、腹痛や発熱などです。集団感染につながり注意が必要です。
リステリア菌
感染源は、食肉や乳製品が多く、潜伏期間は幅があり、短期間の12時間~長期の91日程度といわれています。症状は、インフルエンザに似ていて、抵抗力のない子供や高齢者、妊婦などは重症化する可能性があります。
呼吸困難や神経障害を伴う場合
ボツリヌス菌
感染源は、缶詰、真空パックの食品、魚肉、食肉、発酵食品、などからが多く、潜伏期間は、4時間~36時間くらいです。症状は、頭痛、めまい、汗などが出て、重症化すると、呼吸困難や、神経障害が起こります。
自然毒による食中毒
ふぐや毒キノコ、トリカブトなどに含まれる猛毒成分を摂取すると命の危険があります。
脱水症状を伴う場合
食中毒などで、嘔吐や下痢、発熱などが続くとからだの中の水分量が減少し、脱水症状を起こします。一度に多量の水分を摂取すると、かえって吐き気を強めてしまう場合もあるので、少しずつこまめに水分摂取をする必要があります。
脱水症状は、水分だけでなく、からだの調子を整えるための、塩分やマグネシウム、リンなどのミネラル成分も不足してしまいます。
スポーツドリンクや、経口補水液などを適宜摂取するようにしましょう。水分も受け付けず、もうろうとする意識などの症状がある場合は、医療機関で点滴による治療が必要です。
まとめ
食中毒の症状は、主に嘔吐や下痢、腹痛、発熱、呼吸困難、神経障害、脱水症状などです。これらの症状が見られた場合は、早急に医療機関を受診するようにしてください。