
りんご病と呼ばれる伝染性紅斑は、子どもの病気と思われていますが、大人にも感染することがあります。感染した人の周りに妊婦さんがいたら、他の人より気をつけなければなりません。今回は、妊婦さんとりんご病について考えていきたいと思います。
妊婦さんのりんご病の特徴
りんご病は、ヒトパルボウイルスB19といわれるウイルスが原因で発症する病気です。感染すると発熱や倦怠感、子どもなら頬に赤色の紅斑が現れます。
やがて発疹は腕や太もも、背中などの全身に広がってきます。大人が感染すると、風邪に似た症状とともに関節痛が起こります。
りんご病は幼児や小学生に多く発症する病気で、多くはこの時期に免疫を獲得します。成人の抗体保有率は約75%ほどになります。
妊婦さんがりんご病に感染しても、妊婦さん自身に起こる症状は大人が感染したときとほぼ同じです。
しかし、ヒトパルボウイルスB19に免疫のない妊婦さんが感染した場合、胎盤を介して胎児が感染することがあります。
妊娠中の感染について
妊娠初期から中期の場合
妊娠中のりんご病の感染で一番注意しなければならない時期が、妊娠20週未満の時期です。お母さんの胎盤を介して胎児が感染すると、胎児はウイルスを駆除することが出来ずに持続感染となります。
赤芽球と言われる赤血球の細胞に感染したウイルスは、胎児の赤血球を破壊して重症の胎児貧血を引き起こします。
貧血が進むと胎児水腫といってむくみがひどい状態となり、母親が感染してから約4-6週間後、最悪の場合死亡してしまうこともあります。
妊娠20週未満の母子感染の約30%が胎児感染し、その1/3が重い症状を引き起こすとされています。
妊娠後期の場合
妊娠後期についても胎児感染が全く起こらないわけではありませんが、妊娠中にりんご病に感染しても即、胎児の異常につながるとは言えません。
感染が確認された妊婦さんでも、妊娠、出産の経過に問題がない人も多くいます。先天性の異常も知られていません。そのため風疹の感染よりも危険性が少ないとされています。
妊娠後期の感染であれば、場合によっては妊娠33週を過ぎる頃に早期出産をして赤ちゃんに治療することもあります。
妊娠中の予防
妊娠中はなるべく人混みなどを避け、特に小さい子どもの集団の側には近寄らないようにしましょう。
上の子がいるなど避けられない場合は、マスクをつけて、うがい手洗いを徹底することが大切です。りんご病が流行る春先から7月にかけて、特に注意が必要です。
最後に
妊娠中にりんご病に感染したと思ったら、早急に産科の医師に相談しましょう。近くにりんご病の人がいたら症状がなくても検査してもらうと良いでしょう。
しかし感染しても必ずしも深刻な事態になるとは限りません。医師の指示に従って、経過観察を続けていきましょう。
過度な心配をすることはお腹の赤ちゃんによくありません。妊娠中はなるべくゆったりとした気持ちで過ごすようにしましょう。