虫垂が炎症を起こしている状態のことを虫垂炎又は盲腸と呼びます。もし虫垂炎(盲腸)と気づくのが遅れると、腹膜炎となり、死に至る危険もある侮りがたい病気です。
症状が軽いうちに適切な対処をすれば、いまの医療では死に至るほど重篤化することはありません。症状が軽いうちに治療を始めれば、1週間もかからずに治療することも可能な病気です。この記事では、虫垂炎の治療法を一覧にして紹介していきたいと思います。
開腹手術
虫垂炎(盲腸)ときいて、すぐに思い浮かぶのがこの治療法でしょう。虫垂のある付近を5cmほど開腹し、虫垂の根元を縛り、虫垂を切り取ったあと、最後に傷口を縫って閉じます。
こちらの手術は昔から最もオーソドックスな治療方法として行われています。いまでも、炎症が高度な場合や、腹腔鏡手術が難しいと判断された場合には、こちらの手術方法がとられることがあります。入院期間は10日ほどかかるのがが平均的です。
腹腔鏡手術
腹部に3か所から4か所、5~12mmの穴をあけて、そこから、内視鏡や手術用の器具を挿入し、テレビモニター越しに行われる手術です。こちらも、開腹手術と同様に虫垂の根元を縛り、虫垂を切り取ったあと、最後に傷口を縫って閉じます。
先ほどの開腹手術と違い、手術時間が短く、傷が小さいために治りも早いため、入院期間は5日~7日程度に短くなります。現在では炎症が高度で、腹腔鏡手術が難しい場合以外は腹腔鏡手術で治療するのが一般的です。
投薬(薬で散らす)
虫垂炎の中でも症状が軽い状態(カタル性虫垂炎)の場合には、抗生剤の投与で治療が可能です。ただ、虫垂に糞石(排泄物が固まってしまった物質)がある場合には、薬で炎症が治まった後にも、
また虫垂炎が再発する可能性があるため、手術での治療を医師が進めてくる場合があります。また、妊婦の場合には虫垂炎が悪化し虫垂が破裂してしまった場合に、
胎児への悪影響が考えられますので、基本的には手術での治療を進められることが多いでしょう。また乳幼児の場合にも炎症の進行が早く、症状の軽さ・重さが判断しずらいため手術での治療になる場合が多いです。
まとめ
治療方法としては、虫垂炎の症状に応じて、開腹手術・腹腔鏡手術・投薬の3種類の治療法がある。手術は腹腔鏡手術が直りが早いため一般的だが、炎症がひどい場合は開腹手術が選ばれる。
妊婦の場合には胎児への影響を考え手術での治療を進められることが多い。乳幼児の場合には症状の重篤度が判断しずらいため、手術での治療を勧められることが多い。