
後天性血友病とは、「止血に関与するタンパク質(血液凝固因子)」の一種に対する「抗体(インヒビター)」が作られ、血液が固まりにくくなる病気です。ここでは、後天性血友病の原因と症状、そして、どのような治療法が存在するのかを紹介したいと思います。
原因は?
先天性血友病の場合は男性の発症が多いですが、後天性血友病では男女差はほとんどなく、遺伝性の疾患ではありません。
次に、患者さんの年代を見てみると、高齢者が圧倒的に多くなっています。このため、加齢が一つの原因であることが考えられます。また、20〜30歳代の女性では、分娩後に発症する例が多いことが知られています。
さらに、半数以上の患者さんが、自己免疫疾患や悪性腫瘍を抱えていることが報告されており、これらの疾患との関連性も示唆されます。しかし、これらの疾患を持たない人でも発症するため、様々な原因が複合して発症するものであると考えられるでしょう。
症状は?
後天性血友病の症状は、出血です。特に多いのが皮下出血で、打撲部位や注射部位に多く発生します。健康な人であれば打撲によって皮下出血が発生しても、すぐに止血され小さなアザで済みますが、後天性血友病の患者さんは血液が固まりにくいので、全身にアザが広がっていきます。
次に多いのが筋肉内での出血で、強い痛みを伴います。他には、血尿が出る、首の周囲の出血により呼吸がしにくくなるといった症状もあり、出血が起こる部位によって様々な症状が現れることがわかります。先天性血友病と異なり、関節内の出血は稀です。
治療法は?
後天性血友病では、2種類の治療が柱となっています。
止血療法
重篤な臓器出血や貧血の進行は生命の危険があるため、止血を行わなければなりません。この治療では、バイパス製剤という止血の効果がある製剤を投与します。
これは、機能しなくなっている血液の凝固ルートとは別のルートを経由して血液を固めるものです。迂回路を意味するバイパスがその名前の由来です。
免疫抑制療法
ここでは、原因であるインヒビターを除去するため、ステロイドや免疫抑制剤を投与します。血漿交換といってインヒビターを物理的に取り除く方法もありますが、設備の整った医療機関でしか行えません。
まとめ
後天性血友病は非常に稀な疾患なので必要以上に恐れることはありませんが、早期に適切な処置を行わなければ命に関わります。アザが広がるなど何か異変を感じたら、早めに医療機関にかかることをお勧めします。